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【魔法少女カーマイン】09-1 そしてドンキーもしんだ
2011年04月28日 20:00
「ええ話や~」
台本を読んでもらい泣きする小春。
……演劇部と掛け持ちする茜を心配して演劇部室に訪れて、茜のどじっ子ぶりを観察しつつ、傍らにある台本の山からなんとなく読んだのだ。
「高瀬さん、その台本が気に入ったのですか?」
演劇部長の青柳麻衣子が小春に近づいて聞いた。
市民演劇コンクール出展用の作品をどうしようかと迷っていたのだ。
顧問の松並先生が部員獲得に奔走しているものの、少人数向けの台本を選びたかった。
「…なるほど、これならば」
小春が手にした台本を覗き見て、麻衣子はそれが今回の条件に適してると判断した。
数日後。
「なんで演劇部の集まりにあたしが来てるのよ~」
「外出は大人数の方が楽しいですから」
ニコニコと松並先生は言った。こいつ、小春を演劇部にひきいれたいのか?
そこは動物園だった。
「今回は動物園を舞台としたお芝居です。ここで、動物園の雰囲気、動物たちの仕種、飼育スタッフの動作など、勉強して役作りに活かしましょう」
麻衣子が部長っぽぃ演説をする。
「デザイン部的にはなんの勉強にもならないんですが」
テンション低めの小春。デザインの観点では豹柄虎柄などは愚の局地なのだ。
「そんなことないよ、小春。きっと他に勉強になることあります」
小春の頭を撫でる茜。
「それじゃ、行きましょう~」
いつの間にかバスガールっぽぃ衣裳に着替えた松並が先行する。
「先生、土地勘ないのに……」
「そろそろワシが出撃せんとな」
警備員姿のサダムが動物園を彷徨く。警備員をしているのは、制服や手袋が、彼の機械化した左半身をイントクするのに適してるからだ。
「休日の娯楽。そこに願いのチカラは集まるはず。見事にたくさん回収してくれるわ」
「象さんかわいいですっ」
茜が曲芸している象を見て喜ぶ。
「じっくり役づくりに活かしましょう、ドンキー」
麻衣子は役名で茜を呼んだ。
「ドンキーって?」
小春が尋ねる。
「劇に出てくる象の名前ですよ」
「ぱおーん」
ぱおーん
象の動作を真似る茜。滑稽なのか、女子大生達がくすくす笑ってしまう。
「は、恥ずかしいです」
「最初は誰でもそう言うんだ。でも慣れたらしだいに気持ち良くなってくる。それが曲芸の醍醐味なんだ」
「あんた誰?」
あんた誰だ。麻衣子はすっかり劇の役……飼育員に魂をシフトしたらしい。
ぱおーん
「ぱおーん」
小春は何気なく空を見上げた。劇の内容みたいに、ここが空襲に襲われる気がしたのだ。
ネオバビロニアの存在があるから、それは完全な空想ではなく、可能性のひとつだ。
幸い、空襲を起こす飛行機も怪物も飛んではこなかった。
「ぞうぞう、ぞうぞう」
かわりに道の真ん中に象の怪物がいた。
怪物というよりアニメのメカ兵器みたいな印象だ。
「象じゃないんだね、象じゃないんだね。わーい」
客達が避難する。
「茜、変身よ!」
ラウンドドライバを構える小春。
「ぱおーん」
続く!
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