【魔法少女カーマイン】08-1　吸収合併策！

「たのもー」
デザイン部室に迫り来る魔の手。
「人聞き悪いですよ」
青柳麻衣子。中3。スリーサイズは上から……割愛。普通。演劇部部長である。
「なんの用事かな？」
高瀬小春。中2。貧乳。小柄。行動派。デザイン部部長である。
「演劇部に入りませんか？」
いきなり土下座された。
「でも、あたし、演技とかさっぱりで……」
小春は謙遜した。謙遜というか、面倒を引き受けたくなかった。「魔法騎士として世界の平和を守る」という最大の面倒を引き受けた故に意識無意識的にそうなったようだ。
「演技者じゃなくていいんです。衣装とか作って欲しいんです」
「うーん。演技しないならいいかなって罠にかかるか～」
今は演技者をしなくても3年である麻衣子が引退した暁にゃもれなく残された者が演技者の大役を任されるのだ。やすうけあいはできない。
「ふにゅ～」
結局、演劇部員勧誘は今日も失敗に終わった。負けるな麻衣子。戦え麻衣子！
「良い子の諸君！……って虚しいですね」
鏡でため息をつく麻衣子。
「こんにちは。どうかしましたか」
困った顔を察して、茜が話しかける
「実は……」
演劇部員集めの話しをする麻衣子。

一方その頃。
「ふはははは」
「待ちなさ～い」
パトカーとカーチェイスを繰り広げる菅ダフィ大差。乗っている「車」
に問題ありありだった。
「カンガルー！」
ぴょんぴょん跳ねる巨大なカンガルーの怪物なのだ。
「ふははは…ちゃんと車だ」
怪物には車輪もナンバープレートも付いている。
「だが速度違反だ。止まりなさい！」
「ふははは！やれ、ネガイナー」
くるり
「カンガルーカンガルー」
ぐしゃぐしゃ！
怪物はキックボクシングでパトカーをボコボコにしてしまう。

続く！