【魔法少女カーマイン】うさぎと巫女

「せっかくだから、お詣りしてってよ、小春」
葉子は小春に提案する。
「そのつもりよ」
一同、境内に行き、賽銭を投げて手を叩く。
「魔法少女うまくいきますように」
「デザイン部盛り上がりますように」
「そっちかよっ。じゃあ僕も。演劇部が復興しますように」

「お国再興じゃないんだ？先生」
「その願いは自分の力で解決すべき目的だからね。ここでは他のひとの願いを想うべきかと」
久保田先生はさも教師の威厳で語る。
「あたしは自分を奮い起たす意味で本心を出すけどね」
「ニンジン食べれるようになりたい」
ちゃっかり自分の神社に願掛ける葉子。
「この神社で願ってから、1日以内で三匹うさぎを見つけると、願いがかなうって言い伝えがあるのよ」
巫女の役割として伝説を語る葉子。
「素敵ですね」
今日やっとこ初台詞の茜であった。
「見つけたんですけど」
ある位置を指差して、小春と久保田は驚きまじりに告げた。
「え？」
指摘されてその位置をみる茜と葉子。
「うげ」
そこには三匹のうさぎの怪物がいた。
「うさうさ。うさうさ」
名乗るかのように三匹が声を出す。
「てか、うさぎじゃないですね」
「うさぎじゃないんだ。うさぎじゃないんだ。わーい」
ノリノリで受け答える葉子。てか危ないって、と一同は心配する。怪物はネガイナーだ。倒すべき敵だ。
「変身しましょう、小春」
「応よ」
「かーいわれまきまき」
「ねーぎとろまきまき」
割って入る葉子。
「巻いて巻いて～」
「ビクトリー！」
割って入る葉子
「きんぴら巻き巻き」
「しばづけ巻き巻き～」
「巻いて巻いて……」
「諦めるな！」
「葉子さん……ビリー隊長じゃないです」
「そう？」
……
「とおっ！」

「茜色に染まる風、カーマイン」
「星ぼしを繋ぐ紫紺、コバルト」
「正義の巫女さん、葉子ちゃん！」
「悪しき願いの魔物達よ！」
「あるべき姿に還りなさい」
「お祓いお祓い～」
邪魔っ！！

「うさうさ。ニンジン食べれない悪い子はいねが～？」
うさぎ怪物の一匹が無数のニンジンミサイルを撃ってきた。
「ひいいい、ニンジン怖い怖い怖い！」
箒で弾いて防ぐ葉子。
「ジェットストリームうさぎ～！」
他の二匹が連携をかけてきて、いちばん後ろの奴が葉子の間合いに入る。
「カースオブキャロットへようこそ！」
「きゃあああ」
ぽんっ
「な、なんだって～」
なんと、うさぎ怪物の呪いにより、葉子は巨大なニンジンになってしまった。巨大ニンジン胴体の真ん中に葉子の顔がある感じだ。
「我らはせっかく収穫したのに食べて貰えなかった、ニンジンの怨念から生まれた、ハイポテンシャル・ネガイナー。ニンジン食べれない奴等はニンジンになればいいのだ」
どげしどげし
茜がうさぎ怪物を蹴る蹴る蹴る！
「一理あるけど、百里ないです」
「うさうさ～」
「小春っ合体魔法です！」
「オッケー！」
「ハーモニーブラストっ！」
「こっちは三匹うさうさ！」
三角魔方陣を形成したうさぎ怪物のバリアが、合体魔法の効果を弾いてしまった。
「ハーモニーブラストが効かない？」
「敵が強すぎるクポー」
「カーマイン、ぴ～んち！」
続く！