【魔法少女カーマイン】08-2　独り舞台！

ちゅどーん
炎に包まれるパトカー。
「ふははは！これがネガイナーの引き出したる力か！」
カンガルーの子袋でぬくぬくしながら菅ダフィは歓喜する。
「カンガルー、カンガルー！」
ボクシンググローブな拳を空中に振り回しながら怪物も雄叫びする。
すっとこどっこいすっとこどっこいすっとこどっこい♪(着メロ)
「はいはい菅ですが」
「ムッツリーニだ」
「ハイル、ジーク！」
「調子づいたなら、魔法騎士を倒せ！アドルフ様に名誉を取り返すのだ」
「ジーク、ハイル！」
ぷち
「ふははは……仕事たるいが、今のうち魔法騎士倒して、仕事を楽にしたいからな。行くぞネガイナー！」
「カンガルー、カンガルー！」
速度違反で移動する怪物。

「独り芝居ですか」
茜が麻衣子の話をまじまじと聞く。
「はい。部員がなくて苦肉の策ですが、結構楽しいです」
百聞一見とばかりに一通り芝居してみる。
「すごい。生々しかったです」
お代官様と越後屋の独り舞台を楽しんだ茜。
「だけど賄賂は許しませんよ」
茜も芝居に割ってみた。
「ええいちょこざいな。返り討ちにしてくれるわ。ものどもであえであえ」
「ヒー！」
「ひとつ人の世に住み、ふたつ不埒な中華三昧、みっつ右側の胸にほくろがある。退治してみせよう茜太郎！」
「わ～やられた～」
「茜太郎様、ありがとうございます」
一通りコントしてから二人で笑った。
「ふははは楽しそうだな俺たちも混ぜろ」
「カンガルーカンガルー！」
「はい、どうぞってぎゃ～！化け物！」
菅ダフィを指差して驚愕する麻衣子。
おいおいそっちじゃなくてこっち。
「カンガルーカンガルー！」
「ネオバビロニア！」
茜は臨戦態勢に入った。
「麻衣子先輩、逃げてください」
「カンガルーじゃないんだねカンガルーじゃないんだね。ワー」
逃げた麻衣子。
「怪物ども、こっちだ～！」
グランドに誘導して走る茜。
「ふはははは。お前を倒してから思う存分願いのチカラを集めてやる」
「カンガルーカンガルー！」
脚部の車輪が唸り、高速接近するカンガルーの怪物。
「変身する暇もないです～」
逃げろ茜！

続く！