39才主婦とのお互いの気持ち､探り合い…

熱く語り合い｡微妙に探り合い｡帰り道の経路を変えてまで｡
えっ､こっちじゃないじゃない?強い突っ込み口調で､彼女｡いや､今日は実家に帰る用事があるからと自分｡とにかく､自然に積もってしまったふたりのわだかまりを払拭したくて｡なにも恋愛とかじゃなくて､出会いの結果としての夢を共有する自然な交友ができればと｡その気持ちを彼女に伝えたかっただけ｡最後は､別れる駅のﾎｰﾑのﾍﾞﾝﾁで｡電車が滑り込んで来る直前まで｡語り合い､語り尽そうと｡気持ちを届けたと言う手応えと､やはり微妙なふたりのずれ､違和感と｡
あとになって振り返れば｡ふたりには､決定的な価値観の違いがあったと言うこと｡ｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝを深めれば､深めるほど｡会話の中に表れる価値観の違いの埋めがたい溝｡お互いに人生の中で､大きな方向転換して､同じ夢を共有しながら､同じ場所で､新たな一歩を踏み出そうとしている｡その過程で生まれたお互いの隠しがたい疑似恋愛的な感情を､恋愛にと昇華させるには､あまりにも埋めがたい価値観の溝｡そのことに､お互いに明確に気付きはじめて｡決して昇華することのない中途半端なお互いの錯覚的な感情が邪魔をして｡ふたりは､友情を育むことももう無理?