スイス驚きの憲法適用

クレディスイスの危機に対処するため、スイスが取った措置はちょっと驚きの内容だった。
本来安全保障に関わる条文を銀行救済に適用したのだ。
・国の利益の保護に必要とされる場合、連邦内閣（日本の内閣）は命令を制定し決定を下す事が出来る。
・緊急の重大なかく乱に対処するための命令を規定
本来安全保障に関わる条項を、銀行救済に置き換えて命令を下している。
例のAT1債の全額棄損とUBS銀行による経営統合の命令である。
確かにクレディスイス銀行が破綻し、UBSまでも金融不安が連想される事になると
クレディスイスとUBSの総資産合計はスイスのGDPの2.7倍にもなるわけで、
この金融不安が長引けば、スイスの金融市場は崩壊、EU全体に金融不安が飛び火する事になる。
今回スイス連邦政府が取った措置によって、EUはたまた世界は救われた事になる。
スイスのような金融不安が日本を襲った場合、日本政府は、このような迅速な措置をとる事が出来るだろうか？
国の重大かつ緊急なる問題が起きた場合、軍事の事は無論制定しているが、メガバンク等の破綻懸念が想定された場合の様な国全体が金融不安に陥る可能性が起きた時、緊急対策として国（政府）が命令を下す事が出来るのか？
今回のクレディスイスの破綻懸念から、スイス政府が取った命令をよくよく吟味して、このような緊急事態に備えるべきであろう。