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見聞記-その3

2007年07月23日 14:49

[オカマ]

我々はこの会社としては初めてのアメリカ赴任者だが、東京支店が開設する前は、日本の納入メーカーから技術者を出向赴任と言う形で現地での調査、及びメーカーへのフィードバックに当たらせていた。

だから我々の前には2期に渡り3人がそうしていた。
初めはOさん、次がMさんとSさんの二人。

どの様な経過かは解らなかったが、初代のOさんの知り合いに一人オカマが居ると事前に聞かされていたし、向こうへ行ったらOさんからの託もあるので一度会いに行くとも聞いていた。

無論私は”オカマ”の言葉もどのような事かも大体は知っているが、今までに会った事はなく見てみたいと言う興味もあったが、同時に気持ち悪いと言う感じも同居していた。

着いてから3,4日経っての休みの日、Oさんから貰ってきた住所を頼りに、そのオカマさん(Johnさん)の家に行った。

事前に電話し大まかな行き方は聞いていた。
マンハッタンの中程、ニースとリバーよりのマンションビルの一室だった。

我々がベルを鳴らすと、ドアーが開けられ40代前半だろうか口元に笑みを含め応対し、我々を中に通した。

私は余り言葉も解らないし、素性を聞いているので余り彼の方を見てばかりも出来ず、室内を何となく見渡していた。

ふと見渡したサイドボードの上に15センチ角位の額があり、
そこに私より数歳上位の日本人らしき男の写真が置かれてあった。

Kさんも気が付き彼に誰か尋ねたようだった。
その写真の人はS野と言い日本人で、画の勉強で来ているのだと言い、一緒に住んでいるが今フランスに行っているとの事だった。
私は直ぐに身体の関係を想像していまい、二人の関係は一種のパトロン的なのだろうと思った。

その後Kさんは1,2度一人で彼の所へ行ったそうで、彼の家でシャワーを浴びていると、彼が入ってきてKさんの裸を画に描きたいと頼んできたとか言っていた。
私には到底理解しがたい事だった。


[オカマ-2]

ニューヨークもすっかり春めいた頃の休日。朝寝をして10時頃本を片手にロビーに下りた。
フロントで私宛のメールをもらいホテルから出た。

その頃の休日の日課として、晴れている時は直ぐ横にあるリバーサイドパークへ行って腹這いになたりして手紙を読んだり本を読むようにしていた。

その日も手紙を読み終え、本を読み始めて直ぐに、一人の四十がらみの男が近付き、私に挨拶をし私もそれに応えた。

するとその男は私の傍に腰を下ろし話しかけてきた。
私もその頃は少し話せるようになっていたので、答えられる事は返事をしていた。

そうしている間にその男は私が寝そべっている横に、同じ格好で寝そべりながら放し始めた。

以前Johnさんと言う実在するオカマさんを見ていたから、何となくダブりだして、私は友達との約束があるから帰らなければならないと伝え立ち上がった。

そして私はホテルへ戻るべく、その公園の20数段位ある石段を登り始めた。
先程別れの言葉を交わしてその石段に来る途中も私の後を着いてきていた。
彼は私の直ぐ後について上り始め、時々言葉を向けていた。
私は彼がオカマと感じてからは適当に返事していたが、登っている途中彼の手が私の尻を撫で始めた。
私は登りを早め平坦な道に出てホテルへ向かった。
彼とは少し隔て手が届かない程度まで距離を開けて歩いた。

ホテルの入り口でもう一度「バイバイ」と言ってホテルに入って漸く彼から逃れられた。


[オカマ-3]

それは夏のピークも終わりかけた頃の事だった。
その時は既にKとも口論したり、私の家内(当時未だ入籍しただけ)が来る事もあり、別の安いホテルに移っていた。

その日も休みで昼食を外で食べてきてホテルに戻る途中だった。
もう1ブロック程でホテルにつく所の交差点で立ち止まった時、一人の40前位の男が急に私の傍に来て、一寸一寸と言いながら私を傍の建物の角に連れて行った。
中だし適当に人通りもあり、別段怖いと言う感じもなく、されるままだった。

その男は良く訳は解らないが、だれか知っている人が居て、その人を一緒に見てて欲しいと言って、私を建物の角に屈ませた。

私は相手が誰の事か解らず、どれがそうなんだと彼に聞くと、
彼はなにやら遠方を指差していた。

その方角を見てみたが誰を差してるのか皆目解らない。
その内その男は私の後ろにぴったりと身体を合わせてきた。

私はオカマと気付き立ち去ろうとすると、
「私の家に女の子が何人か居るから、一緒に話しないか」
と言ってきた。

嘘は見え見えであるが、私が男で女が好きだと解っているのなら何そんな事するのかと思いながらその男の手を振りほどきホテルに戻った。

色んな人が交じり合っている面白い国だな!

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