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海外ウラ特パスポート、危機管理術3

2010年06月02日 23:13

最終回 危機管理
第3章 危機管理術 現地編

(現地での街歩きは、新聞が貴女を身を守ります)

これから海外に出かける人を脅すようだが、海外では日本の“安全常識”は全く通用しない。まして、様々な人が集まる現地の空港内では危険がいっぱい。国によっては空港スリ窃盗団の巣窟と言ってもいいほどである。そこでパスポートや帰りの航空券を取られたら、旅のすべてが初日から台無し。もちろん、街歩き中だって気を抜けない。

(まずは到着空港内で注意が必要)
全ての日程で最も気を付けるべきなのが、到着空港時差ボケなどで疲れているし、スリなどが暗躍している最初で最大の関門である。いかなる場合でも、荷物を身体から離してはいけない。私の場合、貴重品の入っている機内持ち込みのバッグは、ななめ掛けのショルダータイプ(前下げが基本)か、キャリーケースのハンドル部分に引っかけて固定できる(単体で取ろうとしても外れない)トートバッグである。

海外携帯電話がお守りに?)
私は海外旅行にお守りを持っていくほど信心深いつもりもないが、実は私にとっての“お守り”がある。それは海外携帯電話。これまで、何かあった時に現地のクレジットカード会社日本語デスクに電話して事なきを得たり、ホテルから空港へ向かう途中の道が混んでいて、飛行機に乗り遅れそうになった時、空港航空会社デスクに電話して事情を説明し、慌てずに飛行機に乗れたりと、綱橋渡り状態でけっこう役に立っているのである。特に渋滞などにはまる可能性のあるレンタカー利用の際は絶対である。
と同時に、実は街歩きの際、他人から見えるように携帯電話を持っていると、スリや強盗などから身を守る……という効力もあるのだ。どうしてか ? といえば、スリにしても強盗にして、何もすぐに警察に電話できる相手など狙わないのが普通……だからだ。加えて、地元住民だと勘違いされる安全効果もある。

(現地新聞を持ち歩く)
携帯電話と共に、地元住民を演出する効果が高いアイテムとして、現地新聞がある。別に読む、読める必要はまったくない。ただ折りたたんでこれ見よがしに持ち歩くだけで、金余り観光客に見えにくいのだ。あと、これは私流のアイデアだから、まったくマネしなくていいのだが、街歩きの際はサングラスを着用し、できるだけガラの悪い格好をしたりしている。歩いていて、向こうからやってくる地元民が道をあけるほどだから、悪人も「同族のニオイを感じて」か近寄ってこない……というわけである。今のところ、この作戦遂行中を含め、スリや強盗の被害に逢ったことは、一度もない。

(旅で口の空いたショッピングバッグやハンドバッグは厳禁)
犯罪被害は、何かを“盗られる”だけではない。実はその逆もあるから注意してほしい。例えば、日本人観光客にも人気のあるタイでは、一部で買い物中の観光客を狙った”罠”が横行しているという。その手口は、警察官・お店とつるんだ悪者が買い物客のバッグやショッピング袋にお店の商品を入れるというもの。いいタイミングでグルの警備員が登場し、万引き犯として捕らえられ、問答無用警察に引き渡され、多額の保釈金(数百万円)が要求されるというシステムなのだ。そうなると弁護士も必要で、その費用もバカにならない。実際、私の回りでも複数の被害者がいる。

その被害者の共通点を探ってみたところ、実はみんな口の開いた紙袋や蓋の開いたバックパックを持っていたのだ。たしかに商品を入れられるスキがあったともいえる。だから、対策としては紙袋にしてもバッグにしてもコートのポケットにしても、モノを入れられないようにしておくことが肝心。そう、映画『ブロークダウンパレス』は実在するのだ。

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そのタイ、残念なことに近年、治安の悪化が顕著である。

殺人等の凶悪事件が人口比で日本の約15倍発生しており、日本人も被害に遭うケースがあります。首都バンコクにおいては、睡眠薬強盗事件が増加しているほか、日本人旅行者を対象としたいかさま賭博盗難スリ・置き引き・ひったくり)等の各種被害も多発しています」(外務省海外安全ホームページより引用)。

また、「2005年の1年間に当大使館が扱った在留日本人及び日本人観光客の被害に遭った犯罪は1627件に上っており、各国にある在外公館が扱った件数の中では最も多い数です」(在タイ日本国大使館ウェイブサイトより引用)ということなのだ。

実際、イメージと実情はまったく違う。大麻などの麻薬を売りつけてくる密売人もいるらしく、しかし売った瞬間に密売人自らが警察に通報。なんでそんなことになるかと言えば、密告すれば報奨金がもらえるから。興味半分で絶対に手を出さないこと(まだ日本人前例はないが、タイでは麻薬所持で死刑判例も少なくない)。中国では死刑判決がありましたね。

(危険地域を地図マーキングしてもらおう)
海外で夜歩きが危険なのは当然。安全と言われている都市でも日本の常識全く当てはまらない。初めての都市の滞在で安全なエリアと危ないエリアを知るには、現地のホテルスタッフに聞くこと。その際、地図とペンを渡して、危ないエリアマーキングしてもらうと確実。因みに現地の地図空港ホテルなどで無料で手に入ることが多い。

(高額な買い物はクレジットカードで)
海外ブランド品など高額な買い物をする場合は、クレジットカードを利用すること。お店にとっても実は安心(身元が保証されている)。また万が一盗難にあったり、ボッタくられたりしたときでもクレジットカード会社の現地日本語デスクに連絡・相談すれば、ショッピングプロテクションで補償してくれたり(内容はカードにより異なる)、交渉を行ってくれたりするから、現金で買うより安心なのである。

(街歩き中のトイレ探し)
何の予測も立たず、しかも街歩き中に突然訪れる身近な“危機”がトイレ。しかも、初めての街ではどこにトイレがあるか分からない。で、私の場合は事前にその日歩くエリアルートを決めたら、まずはホテルの位置をチェックすることにしている。これは覚えていてほしい。海外で最も安全快適なトイレは高級ホテルトイレなのである。

ホテルがなければカフェに立ち寄るのが無難だが、ヨーロッパでは意地悪くカフェフロアではない地下や2階にあったり、ヨーロッパの一部、アメリカでは治安上、鍵を借りなければトイレのドアが開かないところ、有料のところもあるから覚悟すること。ちなみに、トイレ直行→テーブルについて飲み物の注文……という順序でOK。地元の人がそうしているのをよく見かける。

海外で見知らぬ人に声を掛けられたら危険信号)
海外で道を聞かれたり、親しそうに近寄ってくる人物には要注意。特に「日本に興味があるから教えてくれ」などと抽象的な言葉で接近してくる輩は99%悪者である。身を守るためにはとにかくすべて無視。なるべく早くその場を立ち去ること。

ミラノでも、白昼堂々、いきなりミサンガを手に巻き付けてきて(これが外れない!)法外な代金を請求したりと、悪の手口は様々。ツアーならガイドさんが注意事項を教えてくれるものの、個人旅行だとそうもいかない。あらかじめクレジットカード会社の現地デスクなどに“傾向と対策”を問い合わせておきたい。

よもやま話
海外旅行には履き慣れた靴を履いていけ……という無責任な教え)

よく、旅行には履き慣れた靴を履いていけ……と言われる。が、その意味を取り違えてはいけない。海外ではホテルにせよレストランにせよ、ブティックにせよ、お客の服装で“お客のランク”“サービスの仕方”を判断したりするものだ。それなりの身なりで訪れれば、ホテルの部屋をアップグレードしてくれたり、レストランでよりいい席に案内される可能性もある。

ハワイには最低でも靴を4足持っていくことにしている。加えて現地でサンダルを4足買ってしまったことも(笑)
そこで手を抜けないのが靴。日本人海外旅行というと気合が入り、NGを出されるような服装などまず着用しないはずだが、意外に靴にまで神経が回らないことが多い。が、欧米の人達は相手を品定めする際、まず靴を見るという。そこまで気をつかっている人はハイクラスのお客だと判断されるわけ。
で、「履き慣れた靴」問題だが、履き慣れた靴=古くてボロボロの靴……では絶対にまずい。いくらファッションが決まっていても、靴が汚れていたり、靴底が減っていたら台無し
もちろん、いつものブランドジャストサイズを何日か履いて慣らすわけだけど、状態はまだ新品、ピカピカである。そんな新しいお気に入りの靴で颯爽と歩けば、気分も爽やか軽やか。ホテルレストランブティックのスタッフの対応も違ってくるのである。

 今日も長かったですね。明日がフィナーレです。

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