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「The NET 網に囚われた男」レビュー☆

2019年11月22日 01:40

「The NET 網に囚われた男」レビュー☆

スパイでも英雄でもない北朝鮮漁師ナム・チョル(リュ・スンボム)は、いつものようにモーターボートで漁に出るが、魚網がエンジンに絡まりボート故障。意に反して韓国に流されてしまう。韓国警察拘束されたチョルは、身に覚えのないスパイ容疑で、情け容赦ない取り調べを受ける。加えて、ひたすら妻子の元に帰りたい一心の彼に、執拗に持ちかけられる韓国への亡命。しかも、ようやく北に戻された彼を待ち受けていたのは、より苛酷な運命だった。朝鮮半島の悲劇から現代社会矛盾と闇に斬り込むキム・ギドク監督の渾身作。

8/10点!!予想外のことは何も起きない映画ですが、ナビゲーター立ち位置のオ・ジヌ捜査官(イ・ウォングン)が観客が思っていることと正義の目線をストレートに斬り込んでくれるのと、人間関係が分かりやすく飽きさせない描き方で最後まで引き込まれました。「プンサンケ」級の拷問がくるのかなと思いきや、北も南も意外と制御が効いていて一般市民かも知れない相手だと北でも一応配慮してくれるのがリアルなのかな?と真実が知りたくなりました。ナム・チョルが軍事施設に近いところで仕事をしているだけあって非常に頭の良い猟師で、一般層にまでここまで北の教育が行き届いているのかと思ってしまいました。ジヌとチョルの関係性が良くて、二人が初めて礼を言い合うシーンやチョルが最期の挨拶をするシーン、統一したら会おうと夢のまた夢を半ば本気で願って言うシーンなど泣きそうになるところがいくつかありました。でも、あれだけ何としてでも家族のもとへ帰ろうとしたチョルが最後ああいう行動に出ますかね?「もううんざりだ。」という台詞キム・ギドク台詞であって、チョルの台詞ではない気がします。でないと本気で何のために辛酸なめて帰ってきたのかわからない。船を売れば次の仕事に繋げられると思いますし。たった一人の猟師国境を越えただけで、双方がテレビニュースとして情報戦線を繰り広げるのはリアルなのかな?だとしたら、全然統一する気ないじゃん、平和は遠いなと思いました。2017年公開。

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