ネットで見つけた、印象的な話

じゃ、行くわ。家変わっとらんでしょ


数年前、鬱病になり仕事を辞め、実家に戻りました。
少し回復すると親と上手くいかなかった為、家にいるのも辛く日が変わるぎりぎりまで帰らなかったり、かと思えば一歩も部屋を出ないような時期がありました。
本当にもう消えてしまいたかった時、誰に聞いたのか随分昔に会ったきりだった知人が電話をくれました。
「考え過ぎ。あのね、だ～いじょ～ぶ。」というので、何が大丈夫なのかと、つい反論すると、散歩にでも行くみたいに、けろっと「よし。じゃ、行くわ。家変わっとらんでしょ」と言いました。
何を言っているのかと思いました。
ものすごく忙しい人だと知っていたからです。
本当に車で名古屋から大阪まで来た時、びっくりして声が出ませんでした。
起業されていたこともあり、私に出来そうな仕事の紹介もしてくれました。
たった一度姉に連れられ一緒に出かけただけの人間を覚えていてくれた事、その人自身がガンで一度車いすになったこと、鬱にもなったこと、それでもまた歩けるようになったこと、たくさん話しました。
どこにも味方はいないんだと思った時、家族でもないのに、本当に飛んできてくれる人がいたこと、とてもうれしかったです。
思い返しても驚きとありがたさでいっぱいになります。
来てくれたひとは、残念ながら一年程前に亡くなりました。
でも、目一杯頑張って生きたのだと思います。
いろいろなところにその人の仕事がかたちになって残っています。
立ち止まりそうになると、声や言葉を思い返して私もすこし頑張っています。