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中日新聞より。
2016年11月10日 23:14
『誇らしき後輩たち』
梅村さん(六〇)は豊田市の藤岡中学校の校長を務めていたが、三月で定年退職。その後、ゆっくり過ごそうと思っていたところへ声を掛けられ、母校の愛知大の教職課程センターで、学校の先生を目指す学生たちを指導することになった。
しかし、今までとは勝手が違う。大学生にどう接したらいいのか、戸惑いの中で第二の人生を歩み始めた。いざ学生たちと話すと、驚くほど真面目なことに驚かされた。
だが、少し覇気がないようにも感じた。どこか子どもっぽくもある。一生懸命に指導すると中学生と同様に慕ってくれる。少し自信がわいてきた。
そんなある日、キャンパスのある「ささしまライブ24」から名古屋駅まで歩いて帰る道のりでのことだった。目の前を一組の学生カップルが歩いていた。
男の子の方はパンクファッションというのだろうか、頭髪の先がとがっている。
年のせいか、梅村さんはこういう若者がどうも苦手だった。
そこへ突風が吹いた。ビル風だろうか。「あっ」と言う声が聞こえたと思ったら、路上でポケットテッシュを配っていた女性の手から、ティッシュがたくさん詰まった大きな紙袋が風に飛ばされた。
あたり一面にティッシュがまき散らされた。女性はぼうぜんとしている。
いったん、通り過ぎた先ほどのカップルの女の子の方が、彼の方を向いて言った。「手伝おうか?」。二人は踵(きびす)を返して黙々とティシュを拾い始めた。「胸を打たれました。見てくれで人を決めつけてはいけないことも含めて。
誇らしき後輩たちです」と梅村さんは話す。
《中日新聞掲載 2014年(平成26年)7月6日》
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