オン ザ ロード

あたしの通っている大学は女子大ですが、お昼なんかに、ちょっと外のファミレスや喫茶店などに友達と行くと、その友達の友達と称する男の子が現れたりします。
もちろん友達はあたしの事を友達の友達に紹介したりします。友達の友達はあたしに話し掛けてきますが、しかし人見知りのあたしは困っちゃっいます。
友達の友達っていうのは十中八九、今時の男の子って感じで軽そうな感じでチャラチャラしてる感じで、結局どんな感じかわからないのだけど、とにかくあたしはそういうタイプの男の人はヤなので余計に困っちゃうのです。
ですがそんな時は友達が助けてくれます。そんな時は「ごめんね、こんなあたしで」と友達に謝ります。心の中で。でも友達は爽やかな笑顔で許してくれます。その優しい笑顔を見てると本当に申し訳ない気持ちになります。生まれてすいません。太宰。

いつもはこんな感じで友達の友達はどこかへ去っていくのですが、今日は違いました。
友達の友達は、あたしと友達にくっついてくるのです。当然のように、あたしに話し掛けてきます。こんな時、あたしはシェパードになりたい、と思います。わんわん、がぶっ。これで友達の友達をやっつけてやろうかと思うです。
あたしは電車通学です。しかしシェパードになれなかったあたしは、ろくにお金も無いくせにタクシーに乗って友達の友達をやり過ごしてしまいました。でもまあ、なにはともあれ安心。闇金より消費者金融の方が安心。小野ちゃん。わかパイ。
しかしタクシーは闇金でした。タクシードライバーのおじさんが話し掛けてくるのです。先述の通り人見知りのあたしは困ります。しかも今度は誰も助けてくれません。あたしとタクシードライバーの二人きり。アメリカン･ニューシネマ。デ･ニーロ。ですがあたしの前で運転しているのはデ･ニーロの対極に位置するモンゴロイドのおじさんでした。
あたしはわずか1200円分の距離を走ったところで降ろしてもらいました。12時間くらいタクシーの中にいたような気持ちになりました。1時間100円。
帰路が長く感じました。