ゆいのレッスン1

電球や蛍光灯が切れちゃった時、みんなはどうしているのでしょうか。あたしは困っちゃいます。くまさん。がおー。しかし吠えてみても光は照らし出されません。

背の低いあたしは途方に暮れて、ぴょんぴょん飛んでみたりします。カンガルー。カンガルーは二足歩行ですが、人間と比べた場合、あまり手を使いません。人間は人間の為に、合理的に、手を使いました。カンガルーは更に高く更に高く飛ぶことだけを考え、非合理ですが足を鍛えました。ぴょん。ぴょーん。ぴょーーん。

カンガルーはきっとリリカルな気持ちだったのでしょう。
そしてカンガルーの行動はラジカルだったのでしょう。

人間はエゴイズムにとらわれてしまったので、決してそれは悪いことではなかったのでしょうが、しかしそのせいであたしは蛍光灯ひとつ変えられないで、くまさんになっちゃってるのでした。

あたしもカンガルーになりたい、カンガルーになあれ!そう願ってみましたが、カンガルーにはなれませんでした。ぴょん、ぴょん。あたしの足はリリカルでしたがラジカルではありませんでした。ぐすんぐすん。

そんな訳で、あたしはお兄ちゃんがお仕事から帰ってくるまで、暗闇のなかをぴょんぴょん飛びながらくまさんになっちゃってました。がおぅ･･･。