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筋肉(バカ)→かよわい女の子(あたし・笑)

2005年02月28日 19:43

がたん、ごとん。
アルバイト先から家へと帰る電車のなかで、あたしは冬空の厳しい寒さと暖かな電車内とのギャップのせいか、眠気に襲われて寝ちゃいそうになっていました。
うと、うと。
あたしは座席に座っていましたが、電車は結構混雑していました。
そんななか、隣の車両から、体が大きく筋肉質、黒いサングラスをかけた、少しコワモテの男の人が移動してきました(以下マッチョ)。
マッチョはきょろきょろと電車内を見回していました。「怖そうな人だなー。こんな人に絡まれたりしたら中高生男の子なんかは、すぐにお金とかを渡しちゃうんだろうなー、怖い怖いっ」あたしはそう思いながら眠気に身を任せていました。
絡まれたのは、あたしでした。
あたしの隣にはおばさんが座っていました。あたしとおばさんの間には人が座るような余裕はありませんでした。
しかしマッチョは「あー、ちょっとつめてもらえますかね、あぁ、悪いですね」などと言いながら無理矢理あたしとおばさんの間に座りました。
ぎゅう、ぎゅう。
マッチョは言いました。「どこ行くの?大学生?家に帰るの?」
怖い怖い怖いあたしに話し掛けてる怖いよ怖いどうしよう怖い怖いヤダよーなんであたしがこんな目にあうの怖いよぉ。
あたしは言いました。「あっ、は、はい、家に・・・か、帰るんです、あい」
思わぬ事態に、人見知りをするあたしは、マッチョの問いに答えながら、心臓の鼓動がパンクロッカーのめちゃくちゃなドラムビートのように凄まじいスピードで音を刻んでいました。
ぎゅう、ぎゅう、ぎゅう!
「じゃあ女子大生?いいねえ、どこの大学に行ってんの?どっか遊び行こうよ、ねえ」
マッチョはそう言いながら無意識にみせかけながら、あたしの太ももを手の甲で触れていました。
さわ、さわ、さわ。
マッチョはしつこく話しかけてきます。

気付いたら、あたしは降りる駅でもないのに、電車から降りていました。だって怖かったんだもん、マッチョ
ひゅう、ひゅう、ひゅう。
風が冷たくて寒い。
本当に、寒いや。

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