神はいるか？

オイオイ、ヘンなことになったな。

普通は、顔出さない。困ったときや死にたくなったとき顔出す。

親や子や恋人が生死の境にあるとき、神は顔出す。

言い換えれば、神が必要な時って不幸なときだってことだな。幸福なあなたは神はじゃまでしかない。

神はこのあたり心得たもので、うろうろしてない、ウロウロしているのは、みんないかがわしい神であろう。

必ず幸せになりますよ、必ずあなたも幸福になりますよ、どうです、入ってみませんか。

思わず、つり口上で入ってしまう人も中に入る。


じゃあ、神ってホントにいるの？

そんなにむつかしいことじゃない。イヌやネコに神はいるかってことだな。サルやクマに神はいるかってことだな。

植物人間に神はいるかってことだな。


もっというと、サルやイヌに神がわかるかってことだ。植物人間にわかるかってことだ。

イヌに聞けばいい、イヌだって答えようがないじゃないか、ワン。


じゃあ、サルに聞いても同じことだな。

イヌやサルに神がいようがいまいが関係ない、ってことだろ。いたってどうってことないし、いなくたって困ることはない。

じゃあ、なんで人は神がいなくなると、困るんだ。

もっというと、神なんぞいなくても困らなければいいんだろ、イヌみたいに。


ところで、あなたはイヌやサルか？

ちがう、ならば、神が必要か。

いらない、ホントか？

じゃあ、就活してどこにも内定がもらえなかったとき、婚活して誰も相手してくれなかったとき、
恋人と不仲になって別れ話になったとき、
リストラで失業したとき、

神がいた方が何かと便利なんじゃないか。相談相手に。


もうひとつ、イヌやサルに希望はあるの？

希望に向かって歩くイヌの人生、

あんまり聞いたことないな。


神なんていない、イヌやサルにはな。


ただ、あんがい、ものによっては使い道があるぞ。


あなたが希望とか夢とか追いかけるときだ。



オレか、女を追いかけるとき、さんざんこき使っている。女神をな。