- 名前
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【魔法少女っ】21-3、美術館と演劇部【そりゃまぁ】
2011年07月16日 21:03
美術館に入ると、予想通りの反応を受けた。
絵の中の少女が現実に現れたら、その驚きは当然だろう。
茜は麻衣子の手をぎゅっと握った。黙って委ねる麻衣子。
もし、茜独りで来ていたら、めためたになっていたかもしれない。
…………。
実物の絵と見つめあう構図となる茜。
よく見ると、やはりイコールではないところがさんけんされた。
だいいち髪型が違う。
何よりも目の色が違う。「絵画と実物の差」から来る差異とも、「モデルじゃない」差異とも解釈できる。
「いい加減に描いた絵ではないですね」
麻衣子が絵の全体を見て答えた。元々絵画をはじめとして芸術を愛する故に、それなりの目利きはあるようだ。
まぁ「グランプリだからいい加減とはあり得ない」という論理もあるが、「案外、肩の力を抜いてスラスラ描いた絵画が評価される」という事例も麻衣子の知識には蓄積されていた。
「画家さんは、きっと、そのモデルを愛していたのでしょうね」
「おやおや、青柳のお嬢ちゃんじゃないか」
美術館長が出てきて麻衣子にお辞儀した。
どうやら麻衣子の家は少なからず美術館に通っていたようだとさっせる。
「彼女は学校の後輩です」
麻衣子は茜を指して言った。
「清澄茜です。こんにちは」
「おやおや、確かに絵に似ている……」
館長はうんうんとうなづく。
「館長さん、この絵の画家にお会いしたいのですが……」
「うむ。お嬢ちゃんの頼みなら断れめぇ。ちょっと待っててな」
……。
館長からいただいたメモには電話番号的な連絡先は記載されていなかった。その画家は貧乏らしく、固定電話を持たないようだ。
住所とアクセス方法を教えてもらったが、美術館からはけして近くはない。
「ごめんなさいね。また明日にしましょう」
さすがの麻衣子にも、時間的に無理があるらしい。
明日に持ち越しになった事に、茜は内心ほっとしていた。
続く!
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