【魔法少女っ】19-4、ユニット名決定

茜、小春、千歳の三人が揃う。
「こんな事もあろうかと、ユニット名を考えておいたのよ」
小春は提案する。
「ユニット？よろしいですわね。聴きたいですわ」
「ごにょごにょごにょ……」
「おい！三人で何を裏話しとるんじゃあ！」
チャウシェスクが苛立ちを露にする。べつにあんたの悪口は言ってないっての。
「改めて三人で変身するんですわ。いきますわよ！」
「オッケーです！」
「オッケー！」

「スコーンスコーン、スコスコスコーン……♪」(千歳)
「パリッと」(茜)
「サクッと」(小春)
「美味しいスコーン！とぉっ」
「うぃうぃっしゅリインカーネーション！！！」
略。
「茜色に染まる風、夕陽の魔法少女、カーマイン！」
「星ぼしを繋ぐ橋、夜空の魔法少女、コバルト！」
「優しく激しい大自然、深緑の魔法少女、デイトナ！」
それぞれ名乗りながら三人で並び、ユニット名を叫ぶ。
「まじかる・スターライト！」
きゅぴーん
「決まった！！」
勝ち誇る小春。

「ええい。ふたりが三人になったとて、大したことないのじゃあ！行け、エコノミックモンキー柿の枝葉で百舌鳥のハヤニエにしてしまえ」
「サルサル～」
バシュバシュバシュ
「茜さん、合体魔法ですわ」
右手を差し出す千歳。
「ほえ？……はい！」
一時よくわからなかったが、なんとなくわかり、茜は千歳の手を握る。
「合体魔法、フレイアストーム」
灼熱の炎を擁した嵐が起こり、柿の種、枝葉ごとモンキーを焼き付くした。
「サルサル～！」
ちゅどど～ん

「なんでじゃあ……魔力が格段に上がっている！そんなばなが～」
初登場補整の餌食ってヤツです。
「クマクマ～」
巨大なブーメランを投げつけてくるグリズリー。
「食い止めますわ」
小春と共にバリアで弾きつつ、千歳はブーメランを受け止める。
「クマクマクマクマ～」
大切な武器を失い、おろおろするグリズリー。
「連携攻撃ですっ」
「オッケー！」
「援護しますわ」
りんごーんりんごーん
風魔法を受けて、ミッドナイトベルが大きな音色を奏でる。
「クマクマ～」
耳を塞ごうと慌てるグリズリー。その懐に茜が。
「カーマイン、バーニングスラッシュ」
しゃばどすっ
「クマクマ～」
ずずーん。
「冬眠させてあげるっ」
冷気魔法を放つ小春。
「加勢しますわ」
風魔法を別口から放つ千歳。それらは冬場の気象を巻き起こし、グリズリーを包む。
「クマクマ～すやすや……」
しゅううう……
グリズリーが冬眠して、怪物の姿を失った。

「おのれ～。じゃが、面白い。この強大な力をわしのものにしてみせるじゃあ！」
チャウシェスクは時空の裂け目に逃げ去る。
「初勝利ですね～」
クマのぬいぐるみを抱えながら、茜ははしゃいだ。
「どうやら仲良しになったようで良かったクポー」
その上空を飛びながら、妖精クポーは喜んでいた。

続く！