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【魔法少女っ】21-2、わかっててきいている【川っ】

2011年07月15日 18:09

松並松見は演劇部の顧問である前に駆け出しとはいえ、美術の教師だ。絵画関連のニュースはすぐにキャッチする。
「この絵、清澄さんにそっくりよね~」
絵の中の少女は美しいドレスを纏い、そこはかとないエロチシズムをかもし出していた。考えようによっては全裸よりも恥ずかしい衣装といえる。絵の中の世界はおそらく現代ではあるまい。
それにしても、まるで茜をモデルにしたような絵画だった。
「町内美術コンクールの作品群はしばらく美術館に展示されてるわ」
「この絵の作者に逢いたいです。知りませんか」
「ひろひと」
ヒロヒト?」
「恐らく画号(ペンネーム)ね。美術館でなら詳しく迫れると思うわ」

……。
「引き受けましたよ」
意気揚々と麻衣子は言った。
今回の件はなんとなくだが、親友小春には相談したくなかった。
部活の先輩である麻衣子に白羽が立ったわけだ。
とはいえ、麻衣子がすることは独りでは心細い茜に同行して美術館画家に会いに行く事だ。
どんな微力にせよ、麻衣子は茜に協力できる事が嬉しかった。

職員室でアンニュイな顔をする松見。
「さて……歯車は動き始めたわね……彼の最後の闘いがどんな物語をつむぐのか、楽しみだわ……」
「何が楽しみなんですか?」
はわわっ、居てらしたんですか久保田先生」
「ええ、なんか松並先生ご機嫌だったんで見てましたよ」
にっこりと笑う久保田
「は、恥ずかしいよ~。私のどじ~」
「で、何が楽しみ何ですか」
「こっ今度の月九ドラマです」
「今日は木曜日ですが」
「いやあの、次のクール新番組月九です」
「僕は月九はいつも裏番組見てるから疎いですね~」

続く!

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