- 名前
- 一遍
- 性別
- ♂
- 年齢
- 59歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 東京都在住の普通のサラリーマンです。音楽や映画等アーティスティックな物が好きですが、...
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多民族国家の英雄
2008年08月24日 00:12
「ボス」ことブルース・スプリングスティーンはニュージャージー
出身の59歳。アイリッシュとイタリアとオランダ系移民の子です。
村上春樹曰くブルースが育った辺りは本当に「何もない死んだ街」
だという事です。彼の歌詞の世界に偽りはなかったという事に
なります。
僕は彼ほど、世代での認識の違うミュージシャンはいないのでは
と思っています。72年にデビューを飾るもレコード会社からは
「第2のディラン」的な宣伝をされてしまい、これを彼は
かなり悲観的に捕らえていたようです。
彼が育ったあたりはデトロイト周辺の文化の影響が強かったらしく
かの地はモータウン等の洗練された黒人音楽、ミッチライダー
やゲイリー・US・ボンド等のモーターシティらしくラウドで
豪快なロックンロール、そこから派生していったと思われる
後のパンクの祖といわれる、MC5やイギー・ポップの狂気一歩手前
のようなロックサウンド。
ブルースの音からはこれらの全てが垣間見れますが、
彼の個性としては、映像的な陰影のある歌詞を活かした
スロー・ナンバーがあります。ストーリーテラーのように
歌う彼の歌詞は必然的に長くなり当時としては異例な7~8分
の曲も少なくありません。実際にアルバムの半分位の曲はスロー
で占められており、レコード会社の言い分もわかる気もします。
しかし一方ではハード・ドライヴィンな曲も多くあり当時は
宣伝しにくいミュージシャンだったと思います。
というわけで、デビュー当時の彼を好きな人は吟遊詩人的な
捕らえ方をするでしょうし、「明日なき暴走」(変換したら房総
と出てわろた笑)の頃から入ったファンはロックンローラー
として捕らえるだろうし、「ザ・リヴァー」の頃から好きになった
人はパンクっぽい捕らえ方をする人も多くいると聞きます。
全て彼の音楽体験に基づくもので、ここにも矛盾はありません。
先に吟遊詩人云々と書きましたが、イタリア系のミュージシャンは
割と映像的な歌詞を書く人が多く、モノクロームで切ない描写
を上手く表現します。ビリー・ジョエルやフォーシーズンズの
フランキー・ヴァリ辺りと近い世界観ですね。
ビリー・ジョエルなどはその音楽的キャリアも凄く似ていると思います。
ブルースの場合はよりロックンロール的なアプローチなので
それが彼の個性となっているわけですね。
ライヴも定評がありますが、これはもう別格です。
僕は3度経験がありますが、特にアムネスティ・インターナショナル
の「ヒューマン・ライツ・ナウ」で東京ドームに出演した時は
運良く前から5列目で見れました。その時に彼が姿を表した時の
悲壮感というか「覚悟」ですかね。。そのオーラを見た時に
瞬間的に「この人死ぬぞ。。」と直感した事があります。
おそらく巨大な成功に押しつぶされそうになっていたのかも
知れませんね。イヴェントであるにも関わらず2時間半
もやってくれたし(笑)
いずれにしてもその雰囲気からマッチョなアメリカ人的なイメージを持
っている
人も多いかも知れませんが、誤解を覚悟で言うとそういう
物とは対極にある人です。
ベトナム帰還兵の苦悩を歌った「ボーン・イン・ザ・USA」も
時の大統領のレーガンから「選挙で使わせて欲しい」
と勘違いも甚だしい依頼をされた逸話もあります。
もちろん断わりましたよ(笑)
写真は「明日なき暴走」のミレ二アムボックスでDVDとして
衝撃的に日の目を見た初の国外ツアーのCD版です。
1975年、場所はロンドン・ハマースミス・オデオン、ミックスが生々しくて
丸で昨日録音されたような壮絶なライヴをフルで聞けます。
映像は79年、ジャクソン・ブラウン等と行なった「ノー・ニュークス」
からの彼の代名詞とも言える名曲「サンダー・ロード」です。
https://jp.youtube.com/watch?v=O6QiMjakZNY
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