我慢するのはどこまで？

女の子が、彼氏と付き合い始めて、のろけている時に、
「私の彼さあ、芸能人で言うと、速水もこみちかなあ。」
と言うようなとき、

「どこが？」
という場合が多い。

どうみても、違うだろう、と思うときが多い。

そして、
「私は、長澤まさみに似てる、て彼が言うの」
と言うときは、

怖いものなしの状態だと思う。


会社で女の子に、
「私の彼、カッコ良いでしょ。木村拓哉に似てるんだよ」
と言われて、写メを見せられた時、

そんなに似ているとは思わないが、確かに、すごくカッコ良いと思った。

珍しい。。。
カッコ良いでしょ、と見せられて、本当にカッコ良いなんて・・・。



すごくカッコ良い彼がいたとして、どこまで許せるか？
この限度は、人それぞれだと思う。

「あれだけ、私のタイプだったんだから、多少のマイナスでもいいのよ。でもね・・・。」
写メを見せてくれた女の子が、そう言っていた。

彼氏と別れたのだ。
カッコ良くて、優しくて、浮気しない彼なのに、別れたのだ。
その子にとって、彼のマイナスの面が大きすぎたらしい・・・。


出会ったのは、
その子が友達とカラオケに行ったときだった。
男3人、女3人の6人で行った。

そのうちの一人が、すごくカッコ良かった。

その子は、
「彼女はいるんですか？」
と訊いたら、

「いないです。」
と言われた。

嘘だろうと思い、ほかの男や女の子たちに訊いてみた。

全員、「彼女はいないはずだ」
と言っていた。

その子は、自分にやっと運が来たと思い、
メアド交換をして、勇気を出して、訊いた。
「あの、もう一度、会っていただけませんか？」

「いいよ」
と言われ、すごく嬉しかった。


次の日、メールでもう一度、本当に会ってくれるか、確認してみた。
もしかしたら、外交辞令かもしれない。

「もっとお話ししたいので、会っていただけせんか？」

返信されたメールには、
「今度の、土曜日なんかどうですか？日比谷公園で散歩しませんか？」

このメールに喜んだ。
仕事でストレスがたまっていたので、広い所で、散歩しながら話すなんて、最高と思ったそうだ。


前日、着ていく洋服を一生懸命考えた。
当日、美容院に行き、ネイルサロンにも行き、完璧にして、彼と会った。

日比谷公園で、散歩しながら、仕事の話や友達の話をした。彼は、ずっと聞いてくれて、本当に優しかったそうだ。

別れるときに、
「お付き合いしていただけますか？」
と言ったら、
「僕でいいんですか？」
と言われた。

その日は、そのまま、日比谷公園で別れた。
嬉しくて、ほとんどそのあと、覚えてないらしい。


次の土曜日、彼氏の家に行くことになった。

土曜日、駅から電話したら、彼氏が駅まで迎えに来てくれた。
一緒に歩いて、彼氏の家に行った。
「え？」
ちょっと驚く。
木造のアパート。

2階に上がっていき、部屋に入る。
風呂なし、洗面共用の、木造アパート。

職業は、フリーターみたいなもの、と言っていたので、しょうがない。
お金がなくても、2人で楽しく暮らせれば良いと思ったそうだ。


付き合って、いろいろ知ってくると、
彼は、フリーターというよりも、無職。
とにかく、働く気がない。

俳優になりたいとか、夢があって、今の生活をしているのではない。
働きたくない、それだけだ。

生活は、母親からの仕送り5万円でしている。
家賃は、12000円だそうだ。

いつも、家でゴロゴロしている。

少し働いたら、という感じで言っても、
「別に今のままでいいし」
と言われるだけだ。

一緒にいると、優しいし、カッコ良い。
自分に「お金を貸して」言ってくるわけではない。

だから、付き合っていてもいいけど、やはり将来を考えると、無理だと思ったそうだ。


カッコ良いのに、優しいのに、浮気しないのに、
彼女がいない理由は、わかった気がしたそうだ。
うまい話はない、と改めて思ったらしい。


次は、良い人に巡り合えたらいいと思う。