見かけによらず

風邪をひいてしまった。
昼間は暑くて、夜は涼しいので、体調が崩れたらしい。
鼻水がとまらない。



「あの人、画家なんだよ。」
と言われて、そんな感じするなあ、ていうことは多い。
芸術家の人は、普通と違う雰囲気があるから、納得するときが多い。

「あの人、ピアノ弾けて、すごくうまいんだよ」
と言われて、
うそ？すごいなあ、と思うときもある。

「あいつ、学校の先生だよ」
と言われて、
絶対、あり得ないだろう、と思うときがあった。
大学時代の友達が高校の先生になったときのことだった。

あんな奴が、先生か？と思った。
でも、あいつが先生だったら、最高におもしろいと思う。登校拒否の子はいなくなると思う。

俺は、生徒になりたい。

今、会っても、やはり先生だとは思えない。
やっぱり違う。




人は、見かけに寄らない場合がある。
世間一般の人がイメージしている姿と違う場合。

いつ会っても、
お昼はカップめんの、どん兵衛を食べ、洋服はユニクロ。
という人がいる。

なんで、そんなに、どん兵衛とユニクロが好きなのか？と思う。

その人の家に行ったことがある。
部屋の中には、パソコンが4台と、テレビが一台。
それだけ。。。
押入れには、ふとんが入っていると思うが…。

部屋は散らかっているとか、汚いという前に、ものがないので、散らかりようがない。

車は持っていない。
クラブ、キャバクラ、こういったものには、行かない。
ゴルフもしない。

パソコンが好きな、ごく普通のまじめな、独身サラリーマンに思える。


この人が、外資系金融機関に勤務し、年収1億円を軽く超えているとは、誰も思わない。
みんなで飲みに行ったあと、俺が、あの人年収1億以上だよ、と言うと、

「ずるいよ。もっとわかりやすくしてくれない？」

と女の子たちは残念がって言う。
高いスーツを着ているとか、自慢話をしてくれたら、わかりやすいかもしれないが・・・。

ユニクロシャツにユニクロのジャケットでは、確かにわかりにくい。
そして、あまり、話さない人だ。

女の子たちの印象は、良い人なんだけど…。
という感じらしい。


女の子たちのイメージしている外資系金融機関の人たちは、営業の人だと思う。
営業の人は、見栄えが重要だ。
そして、よくしゃべる。
話さないと営業はできないから、とにかくしゃべる。

ブランドのスーツを着て、高級レストランに行き、高級外車に乗り、高層マンションに住み、クラブに行く。
女の子たちには、自慢話をする。

これが、女の子たちの外資系金融機関に勤務する男性像らしい。


正反対の人。
ユニクロ着て、どん兵衛を食べ、車は持っていない。
クラブに行かず、自慢話はしない。
そして、寡黙。


唯一、彼が年収が良いとわかるのは、4億円のマンションに住んでいることだけ。
2フロアぶち抜きで、天井がすごく高い。
リビングに階段があり、ベランダ側にロフトみたいな感じで、2階がある。


でも、自慢をしない人なので、高級マンションに住んでいるのは、わからない。

営業の人ではないから、外見は気にしなくていいし、話さなくてもいいのだと思う。


俺は、この人と話していると、目から鋭いものを感じることがある。
その瞬間、普通の人ではないことがわかる。

直観、頭の回転、集中力。
すべてが研ぎ澄まされている。
いつも戦闘態勢みたいな感じ。
24時間、仕事をしているような人だ。


人は、見かけによらない。

彼は、独身だ。そして、彼女もいない。
性格もすごく良い。

良い男がいない、と言っている女の子は多いけど、けっこう身近にいるかもしれない。。。