- 名前
- けーでぃー
- 性別
- ♂
- 年齢
- 49歳
- 住所
- 奈良
- 自己紹介
- 古来、「ムチムチ」とは美しい女性を示す言葉でありました。 しかし今、現実のみならず漫...
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BL! ボーイズラブ! 同性愛! その2
2014年03月16日 21:13
さぁいきますよ! 四十路間近のおっさんが! 濃密にBLを熱弁!
けーでぃーさん、やおいに語る! じゃなくて大いに語る!
と、古典的ベタネタを飛ばしたところで。
今回の本題に入る前に、前回の補足を少し。
例えば私がすぐに思い出せるだけでも二例。
「あさりちゃん」の主人公、あさりとか、
「カードキャプターさくら」の主人公、さくらとかは、
二人とも小学生の女の子ですが、二人とも「綺麗な大人の女性」に
話しかけられ、ドキドキして赤面するシーンがあります。
美女というものは、男性はもちろん、女性にとっても
ドキドキものってことです。
対して、例えばのび太が、「かっこいいお兄さん」「イケメン」に対して
頬を染めてドキドキしてたことって……ないですよね全然。
もしそんなシーンあったら、誰が見たってヘンに思います。人によっては、
「うわ、なんだ。のび太ってホモだったのかよ」
なんて言ったりもするでしょう。
女性が女性にドキドキするのは普通でも、
男性が男性にドキドキするのは異常。という扱いがされてます。一般的に。
やはり前回言った通り、
「美少女アイドルは両性にモテるが美少年アイドルは男性にはモテない」
が核心でしょうね。多分。
無論、趣味嗜好は個人の自由ですから、私個人はホモだのゲイだの差別はしません。
ですが「異常」と思われ、気持ち悪がられることがあるのは、とりあえず事実です。
で。
そんな男性同士の恋愛を主題にした作品群が、「ボーイズラブ」。通称BLです。
漫画もありますが小説の方が多いと思います。BL漫画よりBL小説。
ひとことにBL、とジャンルで分けても、その中に更にいろんなものがあります。
一番重要(?)なのはやはりエロ描写の有無でしょうね。きっちり18禁レベルの
男性同性愛H、いわゆるホモセックスをはっきり描いてる作品もあれば、
そこいらの少女漫画よりもずっとソフトな、ほのぼのふんわりラブコメもあります。
んでですね。
私もいろいろ読みました。ので、お勧めを一本、紹介しておきます。
パレット文庫の「セント・マシューズ」シリーズ。全9巻です。
主人公は日本人の高校生なのですが、母親がイギリス人と再婚したことで
イギリスに引越し、男子校の寮に入ることになります。
そこには「イギリス人だけの寮」と「各国からの留学生が入る寮」があり、主人公は
後者に入ります。その寮ときたらもう、西洋東洋入り混じり、生活習慣・道徳観念・宗教など
バラバラな、実に実に個性豊かな少年たちの集まりで。毎日大騒ぎしてるんです。
作者様(女性)も実際にイギリスの寄宿学校にいたことがあり、その時の友人たちや
遭遇した事件などをモデルにしてるそうです。作中に出てくる会話の例としては、
「え? 君は確かウェールズ出身で……だったら、イギリス人じゃないの?」
「断じて違う。僕らはケルト人で、奴らはアングロ・サクソンだ。全然違うだろ」
とか、
「夜道は気をつけろよ。東洋人の坊やは、そのスジでは大人気だからな。
ま、俺から見たらイギリス人の男なんざ、ベッドの中でもラグビーやってるような
連中だけどな」
とか。
BL要素なんか無くても、こういった賑やかさで充分に楽しめました。
少女漫画でいうなら、「ここはグリーンウッド」がかなり近いですね。
大体あんな感じです。
しかし!
ちゃんとBLもしてます。容姿端麗で成績優秀な寮長、という定番のライバルキャラ
みたいな美少年が、主人公のルームメイトになり、主人公のことを好きになるんです。
でも主人公には既に、好きな「女の子」がいる。
そして寮長自身も、同性愛が異常なことだというのをきっちり理解している。
そして。
寮長の恋敵である女の子というのが、社会的地位の低い家庭(イギリスではまだまだ
身分差別が色濃い、などの問題もこの作品では取り上げられています)なこともあり、
主人公の恋はなかなか実りません。さんざん苦悩します。
「み、身分が違う? そんなことないよ! 僕はごく普通の、平均的中流家庭の、」
「あなたはイギリス社会のことを何もわかってない! 働きもしないで学校で勉強だけ
していられるなんて、私みたいな階級の人間にとっては、夢のような生活なの!
……だから、お願い。もうこれ以上は、二人とも不幸になるだけだから……」
主人公、大失恋。ズタズタになった心で絶望のドン底に沈みます。
が、寮長はそこに付け込んだりはせず、むしろ主人公の悩みを聞き、励ましてあげたりして。
だから。
寮長がそんな、優しさ溢れる子だから、主人公としても当然、好意はあるんです。
いつもいつも優しくしてもらって、深く感謝している。彼を傷つけたくないと思う。
しかしやっぱり同性であり、想いを寄せてる女の子は女の子であり……いろいろあって結局、
寮長はそんな主人公の背を押して、彼女との仲をとりもつことに。
主人公と彼女との仲が好転していくある日、寮長は友人にぽつりと漏らします。
「僕がどんなに想っても、やっぱり女の子には敵わない。これ以上、僕のことで
主人公を苦しませたくないんだ。……彼女は、いい子だよ。あの子ならきっと、
主人公と二人で、幸せになれるさ」
って、どうですこれ! なんという健気さ! なんという献身! なんという純愛っっっっ!
あえて男の子オンリーにせず、女の子が、ヒロインが、主人公の異性の想い人が、
しっかりいるからこそ、「BL」の、「男の子同士の恋愛」の、
その要素がくっきり浮き彫りになるという、見事な物語構造!
そしてこの寮長の、女の子相手ではどうにもならないという、自分の敗北を悟り認める「潔さ」!
よく、BL作品に出てくる健気な少年を指して、「乙女だなあ」なんて評したりしますが!
この寮長はむしろ、「男らしい」!
上記の「僕がどんなに想っても~」の辺りは、友人と二人、寮の部屋でこっそり隠れて、
酒を酌み交わしながらの会話なんですよ! あの、生真面目だった寮長が!
言っちゃなんですが、これは「可愛い美少女ヒロイン」には出せない味です!
男子校の! 男子寮の! 「男の子同士」だから! BLだから、です!
私ぁもう、この酒盛りに参加して、
「元気出せっ! いや、今は泣けっ! 今夜はとことん付き合うぞ! さあ呑もう!」
とか言ってやりたくなりましたよ、心の底から! 男として、いや、往年の「男の子」として!
世の腐女子・貴腐人の皆様方御用達のはずのBL小説で、よもやここまで、
男心、否、「男の子心」を揺さぶられる作品に出会えようとはっっっっ!
あ、ちなみに。
これ、まだまだクライマックスではないですから。
まだこの後にも、ひと波乱ふた波乱ありますから。
この三人以外にも、登場人物はたくさんいて、彼らにもそれぞれドラマがありますから。
ですからですから。
ネタバレされた! と思わず、興味を抱いて下さったならぜひ、お読みくださいね。
絶対絶対絶対絶対面白いこと、保証しますので!
……………………しかし、まあ、何ですな。
私なんかはこういうのを見ると、素直に感動するのと同時に、
「ぅおおおおぉぉ! 世の中には、こんなに感動的な物語を描ける人もいるのに!
こんなに魅力的なキャラを描ける人もいるのに! だというのに、私というアホはあぁぁっ!」
なんて、のた打ち回ってしまったりもします。
いや、BL作品そのものは過去も今も描いてませんけどね。
過去ログをご覧になられればわかりますが、私なんてむしろ常人以上のおっぱい星人ですから。
私自身にBLっ気はありません。
でも、物語の創り手として、学ぶべきところは多いわけですよ。
と、そんなこんなで。
今回は、マシューズのことを語ってたらドえらく長くなってしまいました。
いやほんとに、ここまで読んでくださってありがとうございます。
おつ華麗さまでした。
次回はもっと現実的な側面から、「男性同士」について語ってみます。
そう、ズズンと深く、性行為そのものについて。ズズンと。ええ、ズズンと。
……実体験話ではないですからねっ?!
このウラログへのコメント
セント・マシューズ初めて知りました。結構古目の作品ですね
コバルト文庫でなくパレット文庫でしょうか?
> なおさん
うわ、その通り。パレット文庫でしたね。
ご指摘ありがとうございますっっ!
綺麗な内容の本ですね~こういう同性愛ならいいかもw
あんまり、生々しいのはちょっと・・(^_^;)
機会があれば読んでみたいです(*^^*)
ベタですが腰乃さんや中村春菊さんのBL好きですね☆
> はぎんちょさん
ソフトからハードまでいろいろ幅広く、というのは男×男でも女×女でも男×女でも
変わりませんからね。好みの作品を見つけていきませう。
次回はその3パターンの比較話です。
> あゆたろさん
ちなみに、私が人生で初めてBLに触れたのは、
「聖闘士星矢」のアンソロでした。私世代なら、これか翼辺りが
ファーストコンタクトですが。あゆたろさんはお若いから、
何でしょうかねえ。
> とをるさん
違いますってばっっ。私の実体験といえばせいぜい、
すれ違いざまにサッと手を伸ばしてグッと掴まれて
ササッと逃げられたことが二度ほどあるぐらいですぜぃ。
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