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デリバリー高校生πの話 その6

2008年08月17日 00:47

デリバリー高校生πの話 その6

姉の友人

普段は、barにいて、その後食事か飲みに行くかして、ホテルだったのですが・・その日は講習会にでて、お勉と云う、普通の高校生の行動をしていたため、直接ホテルinとなってしまいました。

「失礼しま-す、πです。」

部屋に入った途端、暫しの沈黙・・次の瞬間、二人とも、同時に、お互いを指差して『わっ!!』叫んでしまいました。

「やべ!Uさんじゃない。・・びっくりした・・」
「・・それは、こっちの台詞でしょう・・。πって○くんなの!」

Uさんは、私の実姉の友人です。良家のお嬢さんで、姉のテニス仲間の中でも、なかなかの美形で、健康的、明るい素敵なお姉さんです。家に何回も来ているし、姉の三人で遊びに云ったこともあります。

まいったなぁ。・・Uさん、大胆なことしますねぇ。」
「あのね、それもこっちの台詞でしょう・・。○くんこそ!」
「・・まぁ、お互い様ってことで・・」
「・・ねぇ、お姉さんには内緒だよ。」
「・・あの、おれの方もですよ。」

そんな、漫才的会話がしばらく続きました。 冷静に考えてみると、知り合いにブチ当たらない・・と云う保証は、どこにもないわけですから。

「Uさん、どうします? おれ、このまま帰ります?」
「・・そうね、とにかく、飲もうよ。」

さしあたってホテル冷蔵庫からビールを取り出し、飲むことになりました。冷蔵庫が無くなれば、備え付けの自販機で力一杯買って来て・・と云うような飲み方です。話は穏やかなもので、近況とか昔話とか・・なのですが・・。半ば、二人とも、やけ気味のハイペースでガンガン飲みました。 お互いの現状を忘れるため・・ですかね。 その後、ホテルを出て、外で飲みなおし。 二人ともベロベロになって、私は、Uさんを家まで送って、自分もも家に帰りました。 Uさんの別れ際に・・・

「○くーん、今度は本気で、πくんとして呼ぶね。」

そういって、Uさんは悪戯っぽく微笑みました。・・・残念ながら、Uさんに会ったのはこれが最後でした。

その後、暫くして私は受験のため東京へ。そして、そのまま現在もここ、東京で暮らしています。Uさんは大学を卒業してアメリカ留学、向こうで結婚したのですが、30半ばに癌で亡くならたと聞いています。

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