みどり-182

「京介達の保護者が、何故そのバチカンなの?」
「保護者の意味が違ったら?」
「潰すのでは無く、利用する」
「そう、１０００年前、いえ２０００年前との２回の
　失敗をしない為に」
「この現代では隠し様がないから、
　成るべく被害を最小限に抑える」
「それより、カトリックやイスラムその他の全ての宗教指導者、
　いえ宗教そのものが呼んだ事にすればどうなる?」

「面白い。
　今まで以上に熱心に教会やモスクに行く、寄付も増える」
「電話を掛けて来たと言う事は、
　京介達はその辺の事は考えている」
「見えている筈だもの」
「京介達は利用されてる振りをして、実は利用している」
「正解よ。　もう話すの止めるわよ」
「オーケー」


「お腹減ってない?」
「スパゲティとサラダでいい?」

それっきりあの話は二度としません
夜に透さんが帰って来て
玄関でキスをしながら耳元で雅恵が囁きます

「盗聴、カメラも」
「分かったよ、知佳がいるんだよなー」
声が大き過ぎわ、透さん

「透さん、お帰りなさい。　当分お世話に成ります」
「何年付き合っていると思っている？　気にしないの」
「有り難う」
「幸千は?　静かに寝ているみたいだね」
「ええ、良く寝るのよ。　オッパイ飲む時だけで殆ど寝てる」
「手が掛からなくて楽だな」
「本当、助かる」

　　　　　　　　・・・つづく