- 名前
- ユリ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 42歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 見た目細身の天然ってよくいわれます。でもけっこうしっかりしてます。自分的に。映画と読...
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「籠の中の乙女」レビュー☆
2019年04月02日 00:55
クリストス・ステルギオグル主演他。健全な家庭に、狂気は宿る。ギリシャの郊外にある裕福な家庭。だが、一見普通にみえるこの家には秘密があった。両親が子どもたちを外の世界の汚らわしい影響から守るために、ずっと家の中だけで育ててきたのだ。邸宅の四方に高い生垣をめぐらせ、子どもに「外の世界は恐ろしいところ」と信じ込ませるために作られた「厳格で奇妙な」ルールの数々。学校にも通わせないその様子は外の世界からすれば異常なことだったが、純粋培養された従順な子どもたちはすくすくと成長し、幸せで平穏な日々が続いていくかのように見えた。しかし、成長とともに好奇心の芽生えた子どもたちは恐怖を抱えつつも、次第に外の世界に惹かれたいくのだった・・・。第62回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」グランプリ、米アカデミー賞外国語映画賞ノミネートのヨルゴス・ランティモス監督作。
4/10点!!あのお母さんに何があったのだろう?子どもが誘拐されたとか死なれたとか?そんな事情は子どもたちは関係ないと言わんばかりにカットされているところが、ヨルゴスさんらしい鋭さを感じました。「うちはおかしい!」と子どもが訴える場合、親は大抵「どこのうちだって皆そうよ!」って言うんだよなぁと、極論を描くことでその異常さがよくわかるというか、これは一定層には鬱映画かも(>_<)でも、両親に愛され、安全な中で邪気にまったく触れずに育っている子どもたちは案外幸せそうなんですよね。それこそ、ユートピアみたいに。人間は衣食住さえ苦労しなければ、他と比べる対象がない方が幸せなのだなと皮肉にも彼らの生活を通して知ってしまうっていう。でも、そんな生活も、父親が子どもたちのためではなく、自分がその生活を守るためだけにとった行動で破綻してしまいます。これも、親はエゴを全く出してはいけないと言われているみたいでまた辛辣。この父親は間違いなくダメ親父なんですけどね(爆)長女に「好きな名前つけたらいいよ」と言われて、習ったものではない素敵な名前をひとつも思いつけない次女が悲し過ぎました。「背中」でもいいと思うけどな。これまでに観たヨルゴスさんの作品の中では、最もシニカルで最も極論にブンッと偏っているのに普遍的なテーマをちゃんと描いているところはブレなくて、ずっと静かだけど、眠くならない映画です。2012年公開。
このデジログへのコメント
今でも世界には、外の世界と隔絶して生活する人々が居ますね
例えば、ギリシャの孤島で二千年間、原始キリスト教を信仰…
アメリカでも入植時代の生活、日本でも縄文生活を守る人々…
時計が止まってるけど、新鮮
> まんかつさん
でも、この作品の隔離は何もかもがヘンテコで時間だけは進んでいくからどんどんズレが生じてます。日常でもそういう気付いたら手遅れってことがあるなぁと思って観てました。
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