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「止められるか、俺たちを」レビュー☆

2019年04月09日 00:10

「止められるか、俺たちを」レビュー☆

門脇麦、井浦新主演他。ここには映画と青春があった。でも私はなにをみつけたんだろう―吉積めぐみ(門脇麦)、21歳。1969年春、新宿フーテン仲間のオバケ(タモト清嵐)に誘われて、“若松プロダクション”の扉をたたいた。当時、若者を熱狂させる映画を作りだしていた“若松プロダクション”。そこはピンク映画の旗手・若松孝二(井浦新)を中心とした新進気鋭の若者たちの巣窟であった。小難しい理屈を並べ立てる映画監督の足立正生(山本浩司)、冗談ばかり言いつつも全てをこなす助監督のガイラ(毎熊克哉)、飄々とした助監督脚本家の沖島勲(岡部尚)、カメラマン志望の高間賢治(伊島空)、インテリ評論家気取りの助監督荒井晴彦藤原季節)など、映画に魅せられた何者かの卵たちが次々と集まってきた。撮影がある時もない時も事務所に集い、タバコを吸い、酒を飲み、ネタを探し、レコード万引きし、街で女優スカウトする。撮影がはじまれば、助監督はなんでもやる。「映画を観るのと撮るのは、180度違う」めぐみは、若松孝二という存在、なによりも映画作りに魅了されていく。しかし万引き天才で、めぐみ助監督の全てを教えてくれたオバケも「エネルギー貯金を使い果たした」と、若松プロを去っていった。めぐみ自身も何を表現したいのか、何者になりたいのか、何も見つけられない自分への焦りと、全てから取り残されてしまうような言いようのない不安に駆られていく。「やがては、監督・・・若松孝二にヤイバを突き付けないと・・・」1969年、若松プロダクション―こんなにも命懸けで、こんなにもバカで愛おしい時間が、本物の映画を作っていた。これは監督・白石和彌が、師匠・若松孝二と、“何者かになろうと夢みた”全ての人へ送る、終わらない青春の1ページの記憶だ。

5/10点!!若松作品は晩年の作品(「あさま山荘~」以降)しか知らなくて、若松組の周囲に出てくる人物も荒井さんと大島さんくらいしかわからなかったです。映画は普通の人が思いつけないようなことを思いつかないとヒットしないし面白くないものだけど、実生活も皆破天荒で犯罪犯しまくりじゃないと、人の度肝を抜く作品は作れないのかぁと、羽目の外し方が今じゃありえないレベルなだけに「う~ん」となりました。黒澤監督とかが撮影のために一般家庭を解体したとかを武勇伝として聞いてもやっぱり「う~ん」ってなりますし(^^;)皆が了承していれば全然OKなんですけど。若松作品が完全に片方に寄り気味な理由は本作を観て、ルーツがわかりました。小難しいことは抜きにしても仲間たちが青春を懸けて駆け抜けていく様は面白かったですし、めぐみという一人の女の子の成長と翻弄の物語としても、共感出来ました。門脇麦ちゃんはやはりこういう“ザ・映画”みたいな時はすごい良いオーラとか台詞の感じとか出してきます。井浦さんは好きだけど、少し若松監督に寄せ過ぎ?中盤くらいまで違和感が凄かったです(^^;)あのトレンチコートの着こなしは井浦さんにしか出来ないと思いましたし(爆)学生運動時代特有の仲間内の熱さとか空気感とかもわもわと感じられる映画です。でもやっぱり、関係者を知ってて観た方が面白いです。2018年公開。

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