又又マエケンに・・・・・・・

◇セ・リーグ　広島２－１阪神（２０１３年８月１３日　京セラＤ）

　勝利投手らしからぬ不満げな表情で広島・前田健は歓喜の輪に加わった。「勝ちはしたが台無し。気持ちは良くない」。９回２死。坂に１４５キロ直球を右翼席に運ばれ、完封勝利を逃したことに納得がいかなかった。

【写真】復帰の福留も三邪飛に抑える

　最後の１人までは完璧だった。初回１死二塁は鳥谷を１４８キロ直球で一ゴロ、マートンを最速１５０キロの外角直球で見逃し三振に仕留めた。３回２死満塁、７回１死三塁も無失点。３安打完投で、球団では８６～９１年（６年連続）の川口和久（現巨人投手総合コーチ）以来となる４年連続の２桁勝利を達成。「続けることに意味がある。でも先発は最低１０勝と言われる。通過点だけど、とりあえず良かった」と淡々と振り返った。

　親友の存在が刺激になっている。９日に同学年の楽天・田中がプロ野球記録の開幕１６連勝を達成。「負ける雰囲気がないし、凄い存在だなと思います」と認める男に「おめでとうメール」を送った。貯金は田中の１６に対して前田健は５。「勝ちがチームの貯金につながっている。自分もそういう投球ができたら」との言葉を、得点圏では被安打ゼロの投球で体現した。

　メジャー３球団６人のスカウトが見守る前で、連敗を４で止め、チームを３位へ押し上げたエースは「カードの頭だし、勝てて良かった。これからが勝負」。球団初のクライマックスシリーズ（ＣＳ）進出へ力を込めた。

　▼広島・丸（初回に先制１３号ソロ）先に点を取って、マエケンさんを楽に投げさせるのが、僕らの仕事ですから。