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ギャツビーに出てきた微乳・ギャツビーで思い出した忌々しいスーツ

2013年05月28日 22:33

ギャツビーに出てきた微乳・ギャツビーで思い出した忌々しいスーツ

いまThe Great Gatsby(華麗なるギャツビー)という1920年代アメリカ舞台にした小説を読んでいる。

作者のF・スコット・フィッツジェラルドが、僕の留学先のミネソタ州の出身である上、この小説の主人公のギャツビーが行ったとされる大学が東京時代に世話になった米空軍属の牧師先生の出身校でもあったので、20代半ばにかなり入れ込んだ小説だ。

この前、久しぶりに映画を見に行ったら映画館レオナルド・ディカプリオ主演の「華麗なるギャツビー」の予告がかかっていて、懐かしくなったのだ。

でも、その筋がなかなか思い出せない。世界大恐慌前のバブったアメリカでド派手な生活をしてたイケメンおっさんの話としか覚えていない。しゃあない、アマゾンを検索したら99セントのキンドル版があるので、ダウンロードして読み始めた。

それが2週間ほど前かな…学校での演習の準備とかで忙しくて、なかなか読み進めていないけど、昨日、学校帰り谷町線の電車の中で興味深い場面に出くわした。

この小説の語り手たる、証券ディーラー修行中の若者、ニックが「ベーカーさん」(Miss Baker)を気に入った場面。そこで彼女の体型についての描写がある。

「僕は彼女を見ているのが楽しかった。彼女はすらっとしていて、胸が小さい女の子で、背筋をピンと伸ばした姿勢をしていた。その姿勢は士官候補生がするように、肩を後ろにぐいっと引いたせいで際立っていた」とある。

20世紀英語文学作品で第2位にランクされた名作の語り手は微乳が好きだったのだ。

まあ、この時代はアメリカでは女性の社会進出が進み、活発な女性が美しいとされ始めた頃だ。微乳でまるで若い軍人のようにピンと伸びた背筋という記述から、ベーカーさんは時代の先端を行くようなファッショナブルな美女だったのじゃないか、と僕は思う。

ニックは中西部の出身ということになっている。多分、ミネソタだろう。ここで、ミネソタ州出身のもうひとりの作家、ギャリソン・キーラーが、同州の故郷の村をモデルとした小説で「この村では太っている女の子セクシーだと言われた」と書いていたのを思い出した。多分、ニックにとってはベーカーさんは都会的な美人だったのだろう。

と、やっぱり、めまぐるしく人が動き回る都会には本来、動きやすい微乳の方が似つかわしいのだ、なんて思った。

あ、ミネソタ州でも、州内最大の町であるミネアポリスは結構おしゃれな街。そして、やたらと人情味のある街。だから、英紙「ガーディアン」のコラムニストが以前、「アメリカに行ってよかったな、と思いたい人には、私は迷わずミネアポリスに行くことを勧める」と書いていたほどだ。僕も本当にそう思う。

ところで、「華麗なるギャツビー」の予告を見て思い出したのは、僕がまだスーツを着て仕事をしていた頃、第二次世界大戦前のアメリカ的なスーツが好きだったということ。何だかぴしっとした感じのやつ。自分がそんなもの着て似合ってたなんて、今ではとても信じられんけど…同僚の女性によく、胸を触られたものだ。

で、大学を出て間もなく、何を考えたのか日本のそこそこの規模の銀行に入った頃の話。部長が、僕ともうひとりの新入行員に「礼服を作るといいだろうから、仕立て屋を呼んでやる」と要らん世話を焼いてくれた。

それから何日かしていやらしい顔で、下品な目つきをした仕立て屋が来た。そこんとこ、部長と似てた。

そのおっさん、部屋に入るや否や、僕のお気に入りラルフ・ローレンのスーツの襟に手をかけて「よくこんなダサいスーツ着てるね」と言った。それからひとしきり、僕のスーツ悪口を言ってから採寸に入った。

僕は頭に来ていたから、採寸の時に協力的でないと、そのおっさんに文句を言われたし、後で部長にもそのことで文句を言われた。

でもさ、客を見るや否やそのお気に入りスーツをぼろくそにけなす商売人がいるかよ、と思ったものだ。

そして、そんな胸糞悪い気分で作ったスーツ(喪服)は1着6万円なり!それから半年に渡って、安い初任給から1万円ずつ天引きにされたのだ。そんなスーツなんかだったら洋服の青山でその半額で買えるだろう。

出来て試着をしろと言われたけど、おぞましくて、いらだたしくて袖を通す気にはなれなかった。

それから1年ほどして、僕は部長とものすごい勢いで怒鳴りあいの喧嘩をして、その銀行を去った。

辞職からしばらくして、僕は家の近くの工事現場の焚き火でその忌々しいスーツを燃やしてやった。

馬鹿だ。6万円は灰になった。でも、それくらいしないと気がすまなかった…

このデジログへのコメント

  • ぴーとにゃんこ 2013年05月28日 22:48

    > NAO☆さん

    今考えると、すごいことしちゃったと思う。

    6万円のスーツなんて買わないもん…

    でも、このほど約6万円の羽織袴を注文しました。仕事着になるかも知れません。

  • ぴーとにゃんこ 2013年05月29日 20:48

    > niconicoさん

    その昔、アメリカ人の新聞コラムニストに僕の文章は村上春樹に似てると言われた。

    読んでみた…彼の表現力にはひれ伏すしかなかった。

    それくらいの表現力つけようと修行中です。

  • ぴーとにゃんこ 2013年05月29日 21:01

    > niconicoさん

    うっ、僕の大学卒業後の数年間はあの話によく似てた。精神病の女の子と、やたらと元気な、小説に出てくるのと同名の女の子の板ばさみになってた。

    30過ぎて初めて中国語で読んだ…

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