3年間で300人と会って結婚を決めました（７）

マーケティングの専門家である斎藤。近場に固執せず、人脈をたどってさまざまなニッチマーケットに顔を出すことの有効性を強調していた。相手にとってはこちらが珍しいので、お互いに「もっとあなたのことを知りたい」という恋愛感情が芽生えやすいのだろう。文科系女性における「理系男子」人気も同じような現象と言える。出会いの少ない（競合の少ない）同性集団の中に、光り輝くお宝が眠っているのかもしれない。

　それにしても、5年以上も結婚相手を追い求めていた斎藤は、その「婚活」に膨大な時間と金を費やしたことになる。しかも、斎藤は合コンなどのイベント自体はそれほど楽しんでいない。あくまで結婚のための手段なのだ。「結婚ってそこまで大事なのか？」とちょっと水を差したくなる。世間体への意識が強く、しかも絶対に失敗したくないのだろう。周到な準備を必要とする大学受験期とあまり変わらない価値観と思考方法だ。

　インタビュー中、斎藤の声はかつてなく穏やかで明るかった。斎藤、これで戦いは本当に終わったのか？ 数年後、子どものお受験に血道をあげている予感がするぞ……。

「”5年以上も結婚相手を追い求めていた斎藤は、その「婚活」に膨大な時間と金を費やしたことになる。しかも、斎藤は合コンなどのイベント自体はそれほど楽しんでいない。あくまで結婚のための手段なのだ”という斉藤さんの努力、敬服しました」