BBQは楽しい

サウジアラビアの日中の最高気温は、45℃だそうだ。
すごい暑さだ。
気温45℃の世界とは、どんなものなのだろう？


月曜日は、バーベキューをした。

月曜日の朝は、曇っていた。でも暑い。
この暑い日のなかで、バーベキューをするのは、バカだと思うのは、俺だけではないはずだ。

「中止にしよう」、と何回も悪魔のささやきが、俺には聞こえた。
仮病を使って休もうかな、とも思った。

この暑さだ。

外に出る度に、やめたい、と思った。

でも、
みんなが楽しみにしている。
来られない人は、残念がっている。

幹事は、準備など、けっこう忙しい。
どんなに暑くても、忙しい。

誰かが、犠牲にならなければ、楽しめる人はいない。
バーベキューぐらいで、犠牲などと、偉そうなことを言う必要もないが…。



駅に着くと、もうすでに、集まっている。
すでに、20人ぐらい来ていたので、すぐにわかる。

「おはよう」
と言って、みんなが話しているところへ、入っていく。
知らない人も、たくさんいる。

他の幹事の2人の友達は、来ていた。

待ち合わせ時間が過ぎたので、場所とり班と買出し班に分かれる。
遅刻する人からは、携帯に連絡が入ることになっている。
最終的に42人来る予定だ。

俺は、場所とり班になった。
河原へ10人ぐらいで歩いていく。

河原で、大きな石をどけ、ブルーシートをしく。
雨が降ってもいいように、鉄橋の下に敷く。

多摩川の河原なので、かなり広い。
川まで、距離が少しある。

ブルーシートをしくと、ほかの人たちは、川に遊びに行ってしまった。

俺は、一人で、ブルーシートで待っていた。
幹事なのだ。
しょうがない…。

買出し班は、42人分の食糧と、バーベキューの用具をレンタルして持ってくる。
時間がかかる。

幹事は、忙しいはずではなかったか？
と思いつつ、一人で、ボーっとブルーシートに座っていた。

暇なので、
誰かが持ってきた、ボールを橋げたにぶつけていた。
小学生がよくやる、壁当てだ。

ボールを壁に投げて、跳ね返ってきたボールをキャッチ。
その繰り返し。

まるで、友達のいない小学生のようだ。


しばらくすると、川に遊びに行っていた人たちが、戻ってきた。
全員、すごいテンションだ。
はしゃぎまくっている。

壁当てをしていた俺のテンションとは、全然違う。


みんなで、話していると、
30人ぐらいが、ぞろぞろと歩いてきた。
すごい集団だ。こんなにいたのか、と思った。

そして、全員、めちゃくちゃテンションが高い。
女の子たちも、すごくはしゃいでいる。


朝、暑いので中止にしようかと思ったことが、本当に申し訳ないと思った。
こんなに、楽しみにしてくれているとは、思わなかった。

大人になると、なかなか、こういう機会は、ないのかもしれない。


レンタルしてきた、バーベキューの器具を組み立てたり、
包丁やまな板を準備したり、
木炭に火をつけたりした。


本当に、みんな、すごく楽しそうだ。
お互い知らない人ばかりなのに。
朝、初めて会った人ばかりなのに。

どんどん、協力をして準備をしていく。

幹事は、忙しいはずなのだが、全然、忙しくない。
足りないものを言われると、
遅刻してくる人に、買ってきてくれるように頼むぐらいだ。


木炭に火がついてから、
ビールで乾杯をして、バーベキュー開始。

すごい勢いで、肉や貝、魚、などがなくなっていく。
焼けると、すぐになくなっていく。

それにしても、この人数、よく集まったと思う。
ＢＢＱの良さは、初めての人でも仲良くなれることだと思う。


ビールが途中でなくなると、誰ともなく、買いに行ってくれる。
やっぱり、全員、大人だ、と感心する。

バケツが必要な時は、車で来ている人に持って帰ってくれるか、確認してから、買いに行く。
電車で、バケツを持って帰るのは、大変だ。
河原にバケツを置いていくわけにもいかない。

ゴミも分別をしっかりとしてくれる。

全員、常識のレベルが高い。
本当に驚いた。

酒に酔う人もいないし、
河原で適当に用をたす人もいない。ちゃんと、トイレまで行く。


会計のときには、ビールをたくさん飲んだからと言って、少し多く払う人も多い。
バーベキューなので、1人1500円だが…。
2000円払ってくれる人もけっこういた。


それにしても、日焼けは、大変だった。
終わるころには、全員、真赤になっていた。

やはり、7月にバーベキューは、無理だと思った。
8月とか9月のほうがいいかもしれない。

でも、みんながすごく楽しんでくれたので、よかった。。。