平野・平野・平野

ええ選手が来てくれたぁ～



２０勝や虎史上最速！大暴れ平野、移籍初アーチを含む４安打
2008年5月4日（日） 8時1分　サンケイスポーツ

　（セ・リーグ、中日１－９阪神、６回戦、阪神４勝１敗１分、３日、ナゴヤドーム）　阪神がセ界で２０勝一番乗り。１９５０年の２リーグ分立後としては、球団史上最速の開幕２９試合目で２０勝に到達した。移籍１年目の平野恵一外野手（２９）がトラ初アーチを含む４安打。チームも今季最多の１６安打＆９得点と猛爆した。この勢いで第２、３戦も眼下の敵を粉砕したれ！

　ワッショイ、ワッショイ！　桶狭間の首位攻防戦で猛虎のバットがうなりを上げた。黄金週間９連戦初戦をゴージャスに演出したのは、タテジマに袖を通して１年目の平野だった。

　「たまたまです。いつも通り、新井さんにつなぐ気持ちで。結果的に入ってくれた。（二塁）ランナーが安藤さんだったのでよかった。初本塁打はやっぱりうれしい」

　先発・安藤に全力疾走させなかったことを喜ぶ。３点リードの四回一死一、二塁で右翼ポール際に移籍第１号の３ラン。昨年７月２４日の日本ハム戦以来の一発は意外性たっぷりだった？　岡田監督を「あそこでホームランを打つとはなあ」と興奮させたほどだ。

　ナゴヤドームは０３年７月４日にプロ初本塁打（日本ハム戦）を放った思い出の地。移籍後初アーチに運命的なものを感じた。運命といえばもう１つ。この日、昨年までオリックスで一緒だった清原がウエスタンで実戦復帰した。

　昨年４月。平野は右太もも裏痛で二軍へ。球団施設で同じくリハビリ生活を送る清原から、治療法などについてアドバイスを受けた。６月末に一軍復帰したとき、平野の携帯電話には番長ステッカーがあった。

　「いろいろとお世話になりましたから」。チームは変わったが、元気な姿を見せることこそ恩返し。平野の移籍後最大の爆発劇は『ともに頑張りましょう』という清原へのエールだ。

　今季チーム最多の１６安打＆９得点。偵察要員を使った５番も入れると今季初の“先発全員安打”になった。その中心に平野がいた。９カ月ぶりのアーチを含め４安打で３得点。六回には今季４つ目の盗塁も決めた。前回４月２２－２４日のナゴヤドームは打撃不振からスタメン落ちしたが、志願の特打を続け“借り”を返した。

　吉竹チーフ野手兼打撃コーチは「中軸にいい流れを作ってくれている。１、２番が出塁するのがウチの形だからね」とうなずく。２番の奮起で０４年以来のリーグ２０勝一番乗り。２９試合目での到達は１９５０年の２リーグ分立後、球団史上最速ペースだ。

　「試合前に広沢（打撃）コーチ、吉竹コーチが『思いっきりいけ』といってくださった。これで少しは貢献できたかな。納得のいくゲーム？　そう思いますか」

　普段はつなぎ役に徹する平野。スポットライトを浴びても慢心はない。こんな男がいるから今年の虎は強い。