すてきな愛書家さん

自分の孫の写メを
目を細めてみつめながら
これ以上の可愛いものはない
これ以上のしあわせはない
誰に言うともなく
そんな言葉を口にし

こちらに差し出す掌中には
愛らしいおさなごの笑顔

あぁ、かわいいですね
なんておためごかししか
いうこともなく


こどもがすきだ
けれどこんな老いは
いやだ


そんなことを思いながら
乗り込んだ地下鉄で
熱中する愛書家に遭遇
難しい顔
驚いた顔
びっくりしてみたり、
ニコニコしたり・・・
なんという表情の豊かさ
いったいどれほど面白い本なんだろう？
のぞいてみたくなる。


目覚めたおばあちゃんと
やがて謳い始め
そのあとは
ともだちのように
会話をかわす


おばあちゃんのことばは
どこかおさなごを
重んじていて

ちょっと素敵に見えた

こんな関係ならば
悪くないな、
とも・・・