四連勝　阪神桜満開

負け知らずで只今単独首位

またまた金本！４連勝弾でコイを瞬殺
2008年4月2日（水） 10時39分　デイリースポーツ


　３安打を放ち２０００本へあと「６」の金本。一回は左越えへ先制３ランを放つ。一塁走者・新井＝広島


　「広島３-５阪神」（１日、広島）
　アニキの猛打に鳥肌が立った。阪神・金本知憲外野手（３９）が初回、２号３ランを放つなど３安打猛打賞の爆発で、チームを６年ぶりの開幕４連勝に導いた。４試合連続打点で２０００本安打にあと「６」と迫った。アニキが打てば新井も２安打＆好守。ＡＫ砲が全開で猛虎はさらに加速する。
　　◇　　◇
　新井への大ブーイングをかき消した。広島市民球場を包んだ異様な雰囲気を、沈黙に変えたのは、金本のバットだった。
　初回、一死一塁で新井が打席へ歩を進めた瞬間、右翼席を中心に、容赦ないヤジの大合唱が巻き起こった。その新井が、冷静に四球で歩くと、金本は表情ひとつ変えず打席へ向かった。
　高橋の投じた４球目スライダーを、一振りで左翼席最前列へ運んだ。２号先制３ランは、通算４００本塁打へあと４本に迫る３９６号。笑顔はない。ベースを回り、新井にひじをぶち当て、生還した。
　「（打撃は）ぼちぼち。振り遅れよ。まあ、いい先制点になったね」
　開幕４戦目での２発は、０６年以来、２度目のハイペース。さらに五回の第３打席で右線二塁打を放ち、今岡、鳥谷の連続適時打を誘発すると、続く六回の中前打で、３安打猛打賞。早くも今季２度目の固め打ちで１５打数７安打。左ひざの手術明けを感じさせない打棒で２０００本安打達成まで残り６本と急接近した。
　「安打数？あまり気にしてないよ。広島で２０００本達成？本当に気にしてない。それより（前カードの）ヤクルト対巨人戦を見ていて、巨人の二の舞いにならないように考えとった。広島も意地を見せようと、向かってくるだろうからね」
　４番ラミレスと最多勝グライシンガーを巨人に持って行かれたヤクルトは、開幕戦でＧを３タテし、意地を見せた。４番新井をＦＡ流出した広島の意地を、金本は警戒していた。
　最後の打席まで続いた新井へのブーイングに「想像以上やったな…」と苦笑した金本。それでも試合中は弟分に声を掛けることはなかった。
　広島市民球場で、新井のあとを受けて打席に入る。金本にとっても、特別な感慨だ。広島時代の０２年オフ。１０月３０日深夜に、金本はＦＡ宣言を決断した。一夜明けた３１日、金本は、弟分としてかわいがってきた新井に電話を入れた。「カープを出る」。日南の秋季キャンプへ向かっていた新井は、携帯電話を握ったまま言葉を失った。その新井が、５年の時を経て、後を追うように阪神へやって来た。咋オフ、ＦＡ行使に悩む新井に、金本は一度も阪神入りを勧めることはなかった。「自分で決めろ」と、突き放した。
　新井と安打を重ね、開幕４連勝を決めた。自らのカウントダウンは、今は眼中にない。弟分へのブーイングが消える中、金本はダイヤモンドをただ、淡々と回った。