ワイルドでなくていい

今日は、取引している会社の人(女の子　28歳かな？)がきた。
昼休みに、みんなで話していたら、
「私、男性の唇が好きなんです。」
と言っていた。

「あんまり、女と遊んでない人がいいんです。」

唇だと、他の女には、触られてないのがいい、ていうのがあるらしい。
だから、あんまり、いろんな女と遊んでないほうがいい。
自分だけのものにしたい。

なんとなく、わかる気がする。


確かに、指とか、横顔とか、匂いが好きていう場合は、あんまり、ほかの女と遊んでたかを気にしないのかもしれない。



昼休み、せっかく話しているのだから、
ファッションセンスがゼロの俺としては、
春には、どういう格好をすればいいか、訊いてみた。

普段、みんながどう思っているのか、知りたい。

「髪をのばしたら、いいんじゃないですか」
「ひげも、のばして、少しワイルドにしたほうがいい」

でも、この前、切ったばっかりだけど・・・。


美容院や理容室へ行くと、いつも、一番最初に言われるのは、
「色、白いですね」

小学校のころには、女の子に「白ブタ」と言われたこともあった。
「黒ブタ」と言い返していたが、
今考えると、

黒豚の方が高級だった。

自分の負けを認めるようなことを言っていた。
後悔している。


「少し日焼けした方がいいんじゃないですか？」
「もうちょっと黒いほうがいいかもね。」
「なんか、病人みたいですよね」

もうちょっと色が黒い方が、健康的にみえるかもしれない。

「でもさあ、胃が4つあるくせに、色が白いって、変ですよね。」
「焼き肉好きなのに、なんで、色が白いんですか？」
「焼き肉好きとかいうと、プロレスラーとかワイルドな感じがしますよね。」

お前ら、話しがかわってきてないか？
なんか、敬語を使ってるような、使ってないような。
バカにしてるような、してないような。

ストレスに強いから、君たちが、勝手に俺の胃が4つあると、言ってるだけだろう。


ここで、話しを戻さないと、とんでもない方向へ話が行ってしまう。
「春だと、靴はスニーカーがいいかなあ」

接客業ではないので、スーツもほとんど着ない。

「皮靴なんか、いいかもしれませんね。」
「スーツ着て、きめるのもいいかもしれないですよ」

なるほど。
スーツでも着て、たまには、きめるのもいいか。

「でもさあ、浪人して、留年して、年とった、新入社員みたいかも」

お前ら、やっぱりバカにしてないか？


「日焼けサロンに行って、ワイルドさを出した方がいいですよ」
「ワイルドさをだすんだったら、ミリタリーブーツとかいいんじゃないですか？」
「男、て感じですね」
「迷彩服もいいですよね。」

なぜ、会社員が、出勤するのに、ワイルドにしないといけないのか？
なぜ東京のオフィスで、1人だけ、迷彩服着て、ミリタリーブーツ履いて、働かなければいけない？


訊いただけ、無駄だった。
ファッションは、スタイリストに任せよう。