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僕が家庭教師をしていた女子高校生は、まだ処女だったのに…8/10 彼女の秘密

2015年08月16日 01:25

次にMの家を訪問した時、Mはいつも通りだった。

母親の前では品行方正な態度とは言えなかったが、二人きりになるとデートをしたときのMがそこにいた。

部屋に入るとMは自習を始めた。

ボクもいつもの通りにマンガを読み始めたのだけど、Mのことが気になってチラチラ見ていたら、Mが背中を向けたままボクに言った。

「センセ、そんなに見つめられたら、私、穴が開いちゃうよ」

「えっ?どうしてわかるの?」

「私、後ろにも目がついているもん」

どう考えても不思議だった。

Mは決してボクの方を振り返っていなかったので、見ていたことを照れくさく思うより、驚きの方が勝ってしまった。

思わず立ち上がってMの肩越しに机の上を覗いてみたら、小さな手鏡が置いてあって、Mはそれを隠そうともしなかった。

「センセ、マジで驚いていたでしょ?」

悪戯っぽく笑ったMが振り返って言った。

何だか極まりが悪くて、苦笑いをしていると再びMが口を開いた。

「私のこと、見てくれていて嬉しいよ」

この子はどうしてこんなに自分の感情をストレートに口にできるのだろう。

後ろが見える謎が解けた今、今度はそのことの方が不思議に思えた。

「センセ」

いつもの通り、Mに呼ばれて隣に座るとノックの音がして母親ケーキとお紅茶を持って入ってきた。

ボクはコーヒーが苦手なのだけど、この家では最初から紅茶だった。

コーヒー紅茶かも聞かれなかった。

母親が部屋から出て行くと、Mはケーキフォークで口に運びながら、ようやくこの間のことを話題に出した。

プラネタリウム、もったいなかったなぁ」

「前の晩、遅かったの?」

「うん、っていうか、明日先生と会おうと決めてから全然眠れなかったの」

「でも、約束していたわけじゃないから、会えるかどうかも判らなかっただろう?」

「うん、でも会えるって信じてた」

「それで会ったら、眠っちゃったんだ」

「うん、先生の顔を見てね、安心しちゃったんだと思う」

Mは唇に付いたクリームを舌でペロッと舐めながら言ったが、二人の秘密を持ってしまった所為か、それが何だか妙にエロい感じがした。

Mとそういう関係になったからといって、会うたびにセックスをしていたわけではなかった。

なんと言ってもMは受験生だったし、ボクはMの受験の妨げになるようなことはしたくなかった。

だから、Mと二人きりになってもMは自習を続け、ボクはマンガや雑誌を読ませてもらって、お茶を飲みながら雑談をしては帰っていった。

けども、そんな雑談の中でMは少しずつ自分のことを話してくれるようになった。

「Mちゃん、ホントは勉強できるんだよね?」

Mは謙遜もせずに、はっきりと頷いて見せた。

「どうして、出来ないふりをしているの?」

「だって、親に変に期待をさせない方がいいでしょう?」

「どういうこと?」

「だって、勉強したいって思ったことないし、いつまでもできるも思っていないから」

おかしな理屈だと思ったが、もっと聞きたいことがあった。

「最初に会った時、Mちゃん、すごい不良少女をしてたよね」

Mはこれにも頷いた。

「どっちが普通のMちゃんなの?」

「どっちって?」

「あの時のMちゃんと今のMちゃん」

「ああ、それはどっちもだよ」

「どういうこと?」

「センセ、問題解いていないのに、質問多いよ」


Mはそう言って、悪戯っぽく笑うと話をはぐらかした。

ボクが困った顔をすると、Mは"いいけどね"と呟いて言葉を継いだ。

「どっちかというと今の私だけど、センセの反応を見たかったんだ」

「ボクを試したってこと?」

「試したわけじゃないけど、センセのリアクションが見たかったの」

「どうして?」

「どうしてって・・・」

Mは更に何かを言いかけたが、思い直したように言った。

「ナイショ」

しばらく沈黙が流れて、Mは自習を続けていた。

「ほんとはね」

Mの声で読んでいた雑誌から目を上げると、Mはボクに背中を向けたまま続けた。

「最初は悪い印象で、だんだん印象が良くなって行ったら、少しはセンセが私に興味を持ってくれるかなって」

変わった娘であることはわかっていたが、かなり屈折しているように思えた。

でも、Mの思惑通りに、ボクのMに対する気持ちは加速度的に高まっていっていた。

「でも、人は第一印象が大事だって言うよ」

「うん、でも普通にしてたらセンセが振り向いてくれるわけないモン」

ボクは嬉しくて、Mの背後に立つと両手をMの頭にやって旋毛の所に軽くキスをした。

シャンプーのいい香りがボクの鼻腔をくすぐった。

・・・あれ?でも、あの時初めて会ったのに、何でそんな対策してたんだ?家庭教師なら誰でも良かったのか?

そう疑問が湧いたけど、しばらくしたら忘れてしまった。

それからのボクたちはストイックなほどにプラトニックだった。
つづく…

このウラログへのコメント

  • メルちゃん 2015年08月16日 23:42

    今日も楽しかったです(^^)
    紅茶なところがいいですね(笑)
    私もコーヒー苦手。

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