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「めぐりあい」第五話 はるのこと

2024年10月05日 00:05

「めぐりあい」第五話 はるのこと

ここ岡山児島での子育て世代の為の新しいオフィス作り、そして息子、悟と生きる日々
やりがいや充実感を感じながらも、海沿いの街から穏やかな瀬戸の海を見ると、時折、胸がきゅんと苦しうなる気がするのはなんでやろ?

あぁ、はるに逢いたい また、私を怒らせるような軽口をたたいた後で、私のことをぎゅっと抱いてくれた彼の胸に包まれたい


今まで何人かの男に、旦那も含めて抱かれたけど、やっぱりあっちの相性もはるが一番やったと思う
私は心から、いや身体の奥の女の疼きが、そんな彼に再び抱かれたい、優しく包まれたいと願っとるんやないかと思う


でもなんでやろな?
なんで別れたんかな?
私が幼かったから?
はるが意固地やったから?

どっちもなんやろな
これも運命なんかな
後悔先に立たずって言うけど、ほんまやなぁ

大学から最初の職場を過ごした京都で、大学生やった私ははると出逢い、そして共に一年の時を過ごした


私は京都の寺社巡りが好きやったんで、二十代のカップルが遊びに行くような所には行かんと、京都東山嵐山、上賀茂下鴨祇園西陣宇治龍安寺仁和寺
そんな京都の街や寺社を休みの日にはお弁当を作って廻って、そしてはるや私のアパートで夜は二人で過ごして・・・

今考えると素敵な夢のような日々やったな。でも息子のいない昔の生活に戻ろうとも思えんな

はるもいて、息子もいて、それが最高なんやけどな
そんなありもせんことを考えてしまうんは、やっぱり寂しいんかな


ハルは、やっぱりはるなんかな
時々、それらしいことを感じさせてくれるブログの文面もある
でも、それなら、私が素子やと分かっとるはずなんやけど、そう言ってこないんはなんでやろな

やっぱりはるとハルは違うんかな?



最初に行った龍安寺もそうやけど、晩秋の京都東山に二人で行ったんは私にとって一つの思い出や

私の好きな青蓮院門跡の宸殿(しんでん)から見る大楠のある庭を、二人でずっと眺めていた晩秋の日のことは、ずっと忘れることが出来んかった

私はそのことをブログに書いてみた。また思い出の青蓮院に行ってみたいと・・・

(つづく)

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