- 名前
- イチゴちゃん
- 性別
- ♀
- 年齢
- 42歳
- 住所
- 茨城
- 自己紹介
- 毎日元気に働いてます ゆっくりだけど、はっきり喋ります^^ 嫌がらせを受けていたの...
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ひょんなことから
2018年09月11日 07:45
え~
結論から言いますと、人を1人雇いました。
いえ、私が支払うわけではなくですね
おじいちゃんが、私経由で股雇いという状態でして
私は一応、おじいちゃんのところの「私設執事」なんですけど
そのサポートを行う人というポジションで雇いなさい、ということになりまして。
話せば長くなるんですけど
まあ、聞いてやってください。
昨晩、23時過ぎに玄関をノックする人がいまして
覗いてみると、髪がボサボサの女性が立ってたんですよ。
外国だし、女性とはいえ我が家には子どもがいるわけですので
火箸(暖炉で使うやつ)を握り締めて、玄関を開けたら
「お湯をもらえませんか?」って言うんですよ。
どれくらい?って聞いたら「カップ1杯」ですって。
カップに熱いお湯を注いで渡したら、フーフーしながら飲むわけですよ。
話を聞いたら、ホームレスなんですって。
いえね、オックスフォードのおうちの周りって
けっこうホームレスが多いんですよ。
教会でも炊き出しみたいなの、しょっちゅうやってますし。
玄関でバタバタやってるもんだから、娘も起きて来ちゃうわけですよ。
夜中ですし、手に火箸を持ったまま
とりあえず家の中へ入れてあげまして。
色々聞いてみると、ホームレスになって3.4ヶ月だそうで
アパートを追い出されちゃったんですって。
仕事先で上司に関係を迫られて、断ったら仕事自体クビになって
(こういう会社はけっこう、イギリスでも多いです)
お給料がもらえなくなって、再就職先を探してたら
就職先が見つかるよりも前に、アパートの大家から身体の関係を迫られて
こちらも断ったら、就職先を探してる間に家財道具を庭先に投げられて追い出された、と。
う~ん・・・
こういったトラブル、事務所にも増えてるんですよ。
大抵、弁護士の名前で訴訟まで持っていくと
大人しく応じるんですけどね。
訴訟のお金がないと、動かないのはどこの国でも同じですからね。
アメリカは成果報酬型が多いですけど、イギリスは半金着手・終了時残金支払いが普通なので
お金がない=訴訟も出来ない、が当たり前なんですよ。
私もまだ幼い娘がいて、知らない人を家に入れるのも
ものすごく不安ですけど、まあしょうがない
とりあえず名前を聞いて、シャワーを浴びさせて
残り物のシチューとおかずを食べさせて
そのまま就寝させることに。
危ないと思いましたけど、さすがに着の身着のままの女性を
ストリートに戻せなくて。
かと言って、お金泥棒に遭うのも、命を奪われるのも勘弁ですから
とりあえずマットと布団だけ運んで、家の中にある倉庫に寝てもらうことに。
娘と私は、お部屋の鍵をかけて
さらに入口に、ベッドを横付け(侵入防止です)
まあ、正直寝た気がしない状態で起床しました。
朝は私が準備してからとりあえず起こして
朝食の準備をしながら、話を聞くことに。
「仕事はするつもりなの?」 「もちろん。でも、押しが弱いから決まらないの。」
「何でもやる覚悟はあるの?」 「ええ、でも身体だけは売りたくないわ。」
「私が知り合いに聞いてみる?」 「本当?どんな仕事なの?」
「執事のお仕事よ。」 「私が?学校出てないのよ?※執事教育の学校を卒業してないの意味」
と、とりあえず娘も交えて朝食をとり、大学へ娘を送り届けたのち
ボスに電話して、少々遅れることを伝えて、そのままおじいちゃんのおうちへ向かいました。
おじいちゃんに女性を会わせ、
私「この人を何かしらのお仕事で雇えない?ホームレスなの」と紹介すると
※会話は全て英語と思ってください。
おじいちゃん「イチゴが彼女を教育すると約束できるなら、受け入れよう。出来るかな?全て君が手続きするんだよ。」
・・・え?
おじいちゃん「君が雇って、教育して、お給料を管理して、責任を負うんだ。身元を引き受けるんだよ。」
私、外国人ですぜ?そして、人を雇うお金も余裕もないですぜ?
おじいちゃん「お給料は私が支払おう。ただし、彼女にではなくイチゴに支払う。
君が彼女に賃金を払うんだ。賃金も全部決めてごらん。出来るかな?」
??
おじいちゃん「いくらイチゴが連れて来たと言っても、私はいきなり人を信用しないよ。
イチゴとアン(娘の仮の名前と思ってください)は、それまでの背景と人柄を何ヶ月も私が見続けたから
信用するに値すると判断したんだよ。
今度は君が、人に何かしてあげたいのなら、それら全てに君が関わらないといけない。」
・・・
私「働く気、ある?」
と再度尋ねると
女性「もちろん!精一杯働くわ!!何でもするわ!」
・・・じゃ、じゃあ・・・
私もいっちょ、頑張ってみっか!!
私「お掃除とか、お買い物とか、何でもするんだよ?」
女性「何だってするわ!」
・・・まあ、本人はやる気みたいだし、いいか。
で、とりあえずボスの事務所でお仕事があるので
おじいちゃんのおうちに置いていくわけもいかず、
やむを得ず一緒に事務所に連れて行くことに。
で、カマロに乗せるや否や
女性「ねえ!あの人ってサー・○○(○○卿って響きのほうが、日本語はしっくりくるかもしれません)よね?」
私「そうだよ。」
女性「あなた、あの人の執事なの!?エリート中のエリートじゃない!」
私「あなた、おじいちゃんのこと知ってるの?」
女性「知ってるも何も、この国の大物よ!!知らないほうがおかしいわ!!」
私には、人のいいおじいちゃんなだけなのですが
とりあえずおじいちゃんが貴族の凄い人なのは知ってましたけど、そこまで凄いとは思いもせず。
事務所に移動して、ボスにいきさつを説明すると
ボス「それはいい経験になるよ。じゃあ、全部自分で手続きしてごらん。
困ったら、私か○○(副ボスの名前)を出せばいい。関係庁から調べて、雇用するんだよ。」
・・・また、ハードル高けぇなぁ・・・
人を雇うに当たって、必要なのが「雇用契約書」
これに、みんなしたがって労働します。
逆を言えば、雇用契約に無いことは「やらなくていい」のが、こちらでは普通なので
私みたいにお茶汲みを進んでしたりすることは、超珍しいわけですよ。
で、それらを決めるのに簡易面接。
私「何時から働きたい?」
女性(仮にリリーとします)「何時でも文句は言わないわ。お仕事が出来るんだもの。」
私「労働時間は8時間でいい?」
リリー「文句は言わないわ。」
私「執事のお手伝いだから、時間なんて決まってないようなものだよ?」
リリー「ボス(私の事)に助けてもらったんですもの、何時から何時までだって働きます!」
ボス・・・
とうとう、ボスと呼ばれるように・・・
私「お給料はいくら欲しい?」
リリー「食事ができるなら、文句はないわ」
私「・・・(悩みに悩んだ末)2200ポンド、時間の縛りは無し、私の仕事の補助一切をすること、休みは土日祝日、
長期休暇は2ヶ月前に申請、どう?」
リリー「そんなに貰えるの!??前の仕事だった仕分け作業は1600ポンドだったわ。」
私「その代わり、何でもするんだよ?お庭の掃除だってするし、夕飯だって作るし。」
リリー「大丈夫、ボス。私しっかり働きます。」
で、とりあえず労働に関する契約は完了したので
書面にして、お局様に見てもらって(労働契約関係のプロです)、バッチリOK!
で、早速働くにあたっても、服がボロボロなので
よく行くお店へ。
まあ、3日分の服さえあればいいだろう。あとはフォーマルなスーツ(執事も信用第一なので、格好で足元を見られます)を準備。
で、着替えさせるときに見えた下着が、あまりにもボロボロすぎたので
それらも新調(驚くほどボロボロでした)
そしたら、リリーがものすごく泣くんですよ。
リリー「自分の母国で、外国人に助けられるなんて思わなかった」とか、「こんなに優しくしてくれるなんて思わなかった」とか。
う~ん・・・私もまさか、ここまで助けるとは思ってなかったしなぁ~・・・
話を聞くと、このリリー
年齢は24歳と若いんですが、あまりいい家庭環境ではなかったようで
母親は再婚して、一緒に住んでないらしく
父親はずいぶん前に連絡を取って以来、どこにいるかもわからない。
兄弟は妹がいるようですが、母親に連れられて別れて以来会ってないとのことでした。
まあ、何にせよやる気だけはあるようなので
気合を入れて、シゴいてやるか!!
このデジログへのコメント
ステキな話ですね!ほっこりしました!
嘸かしリリーさんは、嬉しかったんでしょうね~、
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