解熱-1

私が小さい頃、小学校の高学年だったろうか。風邪を引き39度位の熱にうなされた事があった。当時の私は病弱ではなかったが、結構風邪等よく引いたように記憶している。その時父が薬局で買ってきたと言って薬袋を持ってきて「これを飲むと直ぐに熱が下がるから」と言って台所に行き何かしていた。暫くすると片手に急須、他方に湯飲み茶碗。急須の中の物を茶碗に注ぎながら「これはミミズの干した物で、俺も昔よく熱を出した時に飲んだが良く効くんだ」と言って差し出した。風邪の為臭いは良く解らなかったが黒っぽい泥水の様だった。私は嫌だと言ったが父がしつこく勧めるし、熱による苦しさもあり目を瞑って一気に飲んだ。それから数時間すると確かに体が楽になり熱も下がった様だった。
その後何日かして、今度は母が高熱を出した。そこで父がそれを飲むようにと言うと
「そんなの飲むぐらいなら死んだ方がいい」と言い絶対に飲みませんでした。私も傍に居たので今度は泥とカビの混じった様な臭いがしてました。