- 名前
- nomiya8
- 性別
- ♂
- 年齢
- 80歳
- 住所
- 埼玉
- 自己紹介
- 私の酒は食前酒で飲むと陽気になり歌ったり踊ったり。信条は去る者は追わず来る者は拒まず...
JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。
私と犬-1(ベンテール)
2009年04月06日 17:54
私の子供の頃、犬は飼った事がなかった。私自身は好きな方で、よく近くに居た野良犬を集めては遊んだ記憶がある。その頃手塚治の漫画で
「ワンダー君」と言うのがあり、その主人公のワンダー君は野良犬たちのさしづめボス的存在で、犬を従え色々な冒険をする。私の場合、冒険等はしなかったが近くの林に連れて行ったりして遊ぶ程度だ。
初めて我が家で犬を飼ったのは、30年少し前、子供が5歳と3歳位だったと思う。5歳の息子が飼いたがっていたが、結局は面倒を見るのは親である我々だったから躊躇いもあり、直ぐにはその気にならなかった。
近くに住んでいた家内の叔母が息子の意を汲んで、知り合いから生まれてさほど日数が経過していない子犬を貰って来た。
その犬は雑種の中型犬で、ベースは白で茶色の斑が掛かっていた。特徴としては尻尾が切れた様に短く途中曲がって変形していた。家族からどんな名前にするかと聞かれた時、尻尾が曲がっているので「ベンテール」にしようと提案した。その意味は
Bent-tail(曲がった尻尾)と説明し、それに決まった。
その頃の我が家の周りは畑が多く、家から出る時は鎖を付けて散歩に出るが、民家が途切れた所辺りで鎖を離すのが常だった。彼は私の前後少し距離を置いて付いてきていた。私に捕まり鎖をされない為で、自由を楽しんで居るようだった。
昼間の散歩では彼が多少私から遠くに居ても犬の様子は良く解ったが、夜の散歩ではその間何をしているのか解らない事も多く、時折私の見えない所で何やら口にしている事も多々あった。
子供たちも時には私と一緒に犬の散歩をしたり、彼らの成長と共に小さくなって着れなくなったセーターとかを犬に着せ、それなりに可愛がっていた。
それが直接の原因かどうかは定かではないが、1年少し過ぎた頃変な症状をし始めた。
翌日家内が獣医に見てもらうと、病名は「ジフテンパー」で助からないとの事だった。家内と相談し「いずれその時が直ぐ来るのだから、本当の事を子供に知らせよう」と言う事になった。
子供の反応は覚悟していたがとても辛いものがあった。下の子は未だ状態を把握できていなかった様でさして顕著なリアクションもなかったが、感受性の強い上の息子は話し始めてから直ぐに下を向き泣き始めていた。そして私からの話が終わると
「僕のお小遣いを全部使って直してあげて」と泣きながら懇願した。
何度も「幾らお金を使っても直らないよ」と説得したが、懇願は止む事はなかった。
「じゃ、明日お医者さんに頼んでくるから」と言う事で、その場は終わらせた。
その後家内と相談し、結果は解っているが子供があそこまで言うのだから、無駄になるけれど一応最後まで手を尽くそうと言う事になった。
翌日子供への約束どおり、獣医のところへ行き相談し、多少ではあるが延命処置として点滴を続ける事となった。
その夜から玄関にダンボールを敷き、その上に古い毛布を敷いてそこに寝かせ点滴を始めた。
そして私と家内が交代で徹夜で診ていた。時々点滴を交換しなければならない為。
それから二晩明けた朝、私の見ている前で息を引き取った。
このデジログへのコメント
(T_T)優しい子供さんの優しい言葉が通じたと思います。
> クレアさん
初めまして。コメント有難うございます。当時を思い出しながら書いてましたが自分でも書きながら目頭が熱くなってしまいます。二人とも優しい子に育ってくれて感謝してますよ。
子供さんが優しい子なのは、ご両親が優しいからでしょうね^^親の背中を見て子供は育つといいますもの^^
> 紫織さん
コメント有難うございます。私の場合病名を聞いた時既に覚悟は出来てましたが、息子は救われるかも知れないとどこか期待した部分もあったようですから、当朝目覚めた息子に告げる時が辛かったですね
> 優子さん
ご無沙汰しています。コメント有難うございます。私もログにも書いてますように結構いけないことをしていますよ。ですからその様に言って頂けると、どこかに穴があれば入りたいですよ。
コメントを書く