自炊-その1

私も母から家内へのバトンタッチ組みでそのままだったら自分で食事等作らずにいたかも知れない。家内とは婚約して渡米。当初は同行した上司との共同生活で彼が料理(と言っても野菜炒めとかちょっとしたものを作るだけですけれどね)をし、私が後片付けの担当。何せそれまで一度も食事を作った事が無く。逆に彼は妻帯者でしたが結婚前に通信士として船で外国に行っててその間も自分で作った事もあったそうですがレパートリーは余り無いようでしたけれど。
何ヶ月かして上司と口論し気まずくなって別々になった。そして私の初めての自炊が始まった。スーパーに行き鍋、フライパン、それに食料。先ずはご飯炊き、学校の家庭科で手のこぶしまで水を入れると記憶してました。暫くして音がパチパチと言い出し何となく炊けた様な感じ。蓋を開けて見ると水は既に無くなっていてご飯の塊のあっちこっちに窪みが出来ていた。以前母が釜からお鉢に移す前に見た感じと似ていた。試しにスプーンで取って口に入れた。
何だこりゃガキガキとした芯があるではないか。水を追加し再度炊き直し、グチャグチャだったけど何とか食べた。翌日は水の入れ過ぎで固めのおかゆ紛いで、漸く3日目に多少柔らかいがご飯らしくなった。
おかずは結構上手く出来た。にんじんポテトを角切りしゆでてからトマトや生野菜でドレッシング、ひき肉とピーマンのみじんきりを塩胡椒で炒め、別に卵を梳いてフライパンで伸ばし、その上の中程に先程炒めた具を置いて卵の両端を巻き上げ覆いオムレツの出来上がり。当時は今と違い日本食のレストランも少なく高価で主に接待用ですし、日本食材の店もありませんでしたから全て自己流でした。