戦争を知らない子供たち

戦争が終わって
僕らは生まれた
戦争を知らずに
僕らは育った♪
戦争を知らない
子供たちさ～♪


若い人と話して驚いた。
本当に戦争を知らないんだ！！


今回の安保法案に反対した彼らがこれだ。賛成する人たちもたぶん知らないんだろうな。


私も、戦争は知らない。
戦後の闇市も知らない。

だが、戦後の傷痕を多少は知るし、戦後の影響下に子供時代を過ごした。
私の世代が最後なのかな？


私が子供の頃には、駅前など人が多く集まる処なら、戦争で手足をもがれた軍服を着た物乞いの姿を普通に見ることができた。


今これを書いていて『物乞い』を一発で変換できなかった。念の為、手足がないので働けない。だから、お金を恵んで下さいって座ってたのね。


いくつぐらいの世代から、戦争と遠ざかることになるんだろう？


私は1961年生まれ。初の国産アニメの『鉄腕アトム』が始まるのが1963年。その後、国産の白黒TVアニメが次々と世に送り出されていった。
『鉄腕アトム』がヒューマンなドラマなのは知られているだろうが、他のアニメも到って反戦色の強い作品ばかり。
『遊星仮面』なんかは、主題歌の歌いだしが「戦争を止めろ！」だモン。


タツノコプロのアニメ作品を見てみよう。

◇科学忍者隊ガッチャマン→全員孤児。
◇紅三四郎→父の仇討ちの旅路。
◇昆虫物語みなしごハッチ→孤児。
◇新造人間キャシャーン→母親が捕虜にされた上に白鳥型のロボットに改造。
◇てんとう虫の歌→全員孤児。


初代社長吉田竜夫さんが存命中に好んで描いたのは、孤児が逆境を跳ね返して力強く生きる姿。
吉田竜夫さん御自身が戦争孤児。


勿論、製作陣の世代は似かよっている。他社の作品でも、反戦反核は当然のこととして描かれていた。


そして、安保闘争もあった。
過激派生き残りの爆弾魔が暴れ、子供の頃に住んでた近所の交番の屋根も吹き飛ばされている。
日曜の昼下がり、遠くでパァーンって音がして、なんだろうと思ったら爆弾だった。
因みに、この時の交番のお巡りサン、爆破された時に「警察を呼べ！」と叫んだとか(笑)


私は子供の頃、目白警察の道場で剣道を習っていたが、ある日突然閉鎖になった。
剣道を教えてくれていたK先生が、警官としては爆弾処理がお仕事。本業多忙で時間がなくなったの。


善くも悪くも、総て戦争の残骸と云えるだろう。


そして、何より忘れてはならないのは、日本は戦争被害者ではない、加害者であるということだ。
環太平洋諸国の平和を謳い、英米の支配を否定した。


近隣のアジア諸国は勿論、遠く豪州にまで戦火を拡げている。
今回の安保法案成立前に、自衛隊は豪州海軍との技術提携を結んでいるが、豪州建国200年で唯一豪州を攻撃した外国が日本である。
日本人墓地のあったブルーム、シドニー、ダーウィンも爆撃し、その数は58回に及び、正規の戦闘以外でも捕虜を虐待し、従軍看護婦を射殺している。


同じ共犯のドイツは、敗戦時に国旗と国歌を新しくした。ネオナチの台頭はあるが、現行政府とは無関係だ。
日本は、国旗と国歌を変えてない。『君が代』の歌詞の意味を考え、閣僚の靖国参拝が盛り上がり、いま安保法案が通った。
外国が不安に思うのも頷ける。


ドイツは、シリアなどの難民を極限まで受け入れている。
日本は、5000人の難民申請に対し承認したのは11（うちシリア3）人。
金は出すが、受け入れない。
その前に、国内の女性の地位向上、高齢者の雇用拡大が先だと云う。

水害被災地は？福島は？沖縄は？

今回の政府の説明はすべて個別的自衛権で出来ることばかり。
原発を海外に輸出する為に復興予算を使っている。
意味判らん！