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和田虎に自然の猛威！台風直撃で地獄移動

サンケイスポーツ9月17日(火)7時0分配信
和田虎に自然の猛威！台風直撃で地獄移動

品川駅で新幹線を待つ福留（中）、俊介（左）、玉置（右）。台風１８号が虎を直撃だ（撮影・鳥越瑞絵）（写真：サンケイスポーツ）

　弱虎を直撃！　阪神は１６日、１７日からの広島３連戦（マツダ）に向けて東京から移動するはずが、台風１８号の影響で足止めを食らった。ストップしていた東海道新幹線は午後３時以降に復旧したが、ダイヤは乱れ、桧山進次郎外野手（４４）は日付が変わった深夜０時すぎに広島入りした。６差に詰められた３位・広島との決戦前に不吉な予兆だ。

【写真で見る】広島入りした和田監督。夜１０時を回っていた

　桜の木がなぎ倒されんばかりに揺れる。ガラスにモノが激突し、鈍い音が響く。縦、横、斜めからの豪雨に突風が加わり傘がポッキリ折れる。広島に向けて出発する虎が巨大台風１８号に襲われ、立ち往生した。

　「大変な１日だった？　うん。（選手は）個々移動だろ！？」

　午後６時すぎ、選手、コーチ、スタッフの最後に東京都内の宿舎から出てきた和田監督が眉間にしわを寄せていた。チームは１７日からの広島３連戦に向け、午前中の新幹線で西に移動する予定だった。列島に上陸した台風の影響で各交通機関がまひ。新幹線は始発からダイヤが乱れ、運転を見合わす事態になった。再開のメドが立たず、選手は宿舎で缶詰め状態。昼食券が急きょ配布された。

　午後２時１５分－。「とりあえず、いってみる」。帰り支度をした新井良が宿舎ロビーに現れ、品川駅へと急いだ。午後３時前には黒田ヘッドコーチが「席とってへんよ…」と飛び出した。新幹線は止まっていたが、いてもたってもいられなかったようだ。福留は「飛行機は席あるの！？」と戸惑いながら俊介らとタクシーに乗った。

　３連休最終日も重なり駅構内は家族連れで大混雑し、精算所や窓口では払い戻しなどを求める乗客で長蛇の列。我慢できなくなった子供たちの泣き声や駅員のアナウンスが終始響いていた。午後３時に東海道新幹線が全線で運行再開。河川増水などの影響もあり、ダイヤはなかなか正常に戻らない。

　首脳陣、選手は事前に乗車券特急券を配布されており、球団関係者から品川駅で指定席券を受け取っていたが、混雑に巻き込まれた選手もいた。再開直後の午後３時発の新幹線に乗った久保は座席指定を受けられず、たまたま席が空いた名古屋－京都間以外は立ちっぱなし。午後８時１６分ごろ、広島駅の改札口に疲れた表情で現れ「５時間以上（新幹線に乗ったのは）初めて」と苦笑いした。それぞれ選手が乗った新幹線はノロノロ運転、途中徐行、ストップを繰り返し、大幅に延着。桧山が馬場、東マネジャーとともに広島駅に最後に到着したのは日付が変わった午前０時５分。チームの広島到着予定時刻（午後２時すぎ）の１０時間後だった。

　「５時４７分発を取ったけど、出発したのは６時ぐらい。６時間ぐらいかな。座れたからなんとか助かったけど」。出発予定時刻から８時間待って、６時間かけて移動。今季限りで引退する４４歳も強行軍を強いられた。

　前夜（１５日）のヤクルト戦ではバレンティンに５６、５７号を浴び、本塁打の日本新記録を献上した。最下位ヤクルトにも１勝２敗で６カード連続負け越し。首位巨人を３連破した３位広島は６連勝中で、虎までゲーム差６まで迫られた。和田監督は「もう変わるよ。スイッチを入れ直す、そういう３連戦になる」と“倍返し”を意気込んだが、移動日休みに“１０倍返し”を食らった形。自然の猛威に行く手を阻まれても、虎は突破するしかない。