キミのフィジカルな若さと初めて言葉にしてくれた欲求にに応えきれなかった自分を恥じた夜について

新富町オフィス
Sさんに予め出社予定を確かめ
木曜に借り受けた機材、テープを用いて
不足分を説明

納得の態、当然ではあるが

一旦外で打ち合わせ、の彼が
帰ってくるのと入れ違いに
１７時２０分にオフィスを出
胡麻擂り団子を買いに行こうか、と、東銀座へ歩いていると
ｔｅｌ
踵を返し、京橋へ

Ｇなるスタンディングバーを試す
殻付き生牡蠣、雲丹
ポテトサラダ
刺身５品盛り合わせ

まだ、足りない、と
歩きながら日本橋高島屋
梅園にて
抹茶三つまめ、
ボクは呑んだ後の豆かんてん

いかにも、ひとつふたつ
いわくありげな、
若いサラリーマン風の男子
有閑マダム風？
白いスーツを纏った中年女性
その脇で
ぺちゃくちゃと、
下らない話に興じる、ふたり

裏通りはすっかりと暗くなり
手を握り締め、タクシー

応えてくれたことにも
エクスキューズもいらなかったことにも
感謝しつつ

愛し合う

遠く、蕩けそうな、苦しげな眼差しの向こうから

「すごく、気持ちいいよ」

と、うめきつつ、望みを口にしてくれた彼女に
応え切れず

酒を呑んでいたこと
様々な阻害要因に
深く、自らの不明を恥じる

薄弱
焦燥
はしたなく
意地汚く
つながることに
汲々とする、童貞のように

そのボクを
優しくつつみこむ
熱いくちびる

ありがとう
と、疲れ果て、
眠りに落ちゆく
夢と現の端境の彼女に
そっとつぶやく