４３歳の過ち　その４３

役所で貰って来た離婚届にお互いの名前が並ぶ。
あとはこの紙っぺら一枚を提出するだけだ。

それで、終わる。
ようやく解放される。
いよいよあと三日でその日が来るというタイミングで、事件は起きた。

僕はその日、都内の建設現場に配送だった。
荷台に高く積み上げられた荷物の上にあがって荷下ろし中に、クレーンで吊り上げた荷物が僕の方に向かってきた。

避けられないっ！！
向かってくる荷物にしがみついて、なんとか弾き飛ばされるのだけは避けた、、、けど、
地上約５メートルの高さで宙ぶらりん。

あ、、、こりゃヤバいなぁ。
下を見てそう思った瞬間、手が滑った。

敷鉄板の上に落下したときに、、、「ゴギン」というか「ボグン」というか、変な音と大きな衝撃を受けた。

不思議と痛みは無く、「あ、足首捻っちゃったかなぁ、、、」と思いながら
「すいませーん！今戻りますから！！」
と起き上がろうとすると、僕の左足のスネから先だけが横になったまんまだった。

あれ？あれれ？そんなところに関節は無いぞ？
なのに曲がるって、、、、、

やっと状況を理解した。
ズボンにしみが広がって、そこから湯気が立ち昇る。

こ、、、これは、、、折れたな。それも、破けたな。

そう思ったとたん、ズキンズキンと痛みだす足。
結局そのまま動けずに、救急車を待つことになった。