ゆうりの泡日記－ゆうりの消える日2

泡のバイト最後の日

一番目のお客さんが

いきなり　初恋の人で

次が　前彼って・・・

主人と出会って　奇妙な体験が増えたけど

泡のバイトで昔の同僚がお客さんで来た

これなら　あってもおかしくない

そして前彼　まあ　前彼も同僚だったわけだし

噂を聞いて来ちゃった　

それも　まあ　ありえる

ただ　誰も　わたしだと気づかず

似ている女って思ってるのが　

普通　ないでしょ・・・？

前彼の茂に関しては

わたしが　前彼女のだよって告白したのに

一瞬　本当かと思ったって　大ボケするし

そして　初恋の人がお客さん

これも　ありえない巡り合わせ

でも　絶対　嘘だっていう巡り合わせが今日

最後の日に　初恋の人　前彼の2連荘・・・

「辞めるんだって？」

「えっ　はい・・・」

「楽しみが減って残念だな」

「嘘でも　嬉しい言葉ですね」

「いや　ほんとだって」

「お上手ですね」

「本当だって　前の彼女に似てるって言ったけどさ」

「はい」

「あいつより　ずっといい女だし」

なんか　そのホメ文句　ひっかるんだよね

「あのさ　最後だから　じっくり君を見せてもらっていいかな？」

「えっと　どういう意味で？」

「体を隅から隅まで楽しみたいなって」

うーん　別にいいけど・・・

改めて言われると恥ずかしい感じが・・・

でも　ちょっと確かめたいこともあるし

ベッドの上で横になる

茂からキスをされる

出あった頃は　臆病で

キスしたいって言い出すことも出来なかったのに

大胆になったものよね

でも　結構　幸せな気分にさせてくれたキスも

今のわたしには物足りないかな・・・

胸をつついたり　揉んだり　舐めたり

焦らしてるわけじゃなんだろうけど

このじれったさが　お預けされてるみたいでいいかも・・・

「あ、ううん・・・彼女さんと比べてどうです？」

「うん　大きいし　こんな感度よくなかったよ」

それは　あんたが開発しなかったからだろ・・・

「腰もこんなくびれてなかったし」

あっそ　寸胴でわるかったね

それも　あんたのせいだよ

わたし　思うよ　いい女は男が作るって

求められれば応えたいって思うこと

それが大事なんだと思う

「ここ　すごい毛深くてさ」

そういえばこいつ　酔った勢いで

わたしが毛深いとか石田くんに暴露してたらしい

ムカムカしながらも　

茂の愛撫に体が応え始めてて

わたしもそれに嫌だって思わないのは

やっぱり　この人のこと好きだったんだなって


この人とも今日で終わり

そう思うとつい気合が入ってしまう

「ああん　もっと　動いて・・・あん」

上になって腰を少し浮かす

抜けない程度に隙間を作る

「激しくついて・・・ああん・・・」

男性に負担をかけない方法

これも　ここでわたしが覚えたこと

そして　男の人の動きから少しずらして

わたしも腰を動かす

気持ちいいし　男の人の負担が少ないから

長く楽しめる・・・

体を重ねて　小刻みに動かしたり

深く浅く大きく出し入れしたり

何回も中に受け入れながら

茂と出あった頃　何度もした日々

ここでの再会　ひとつひとつ思い出しながら

何度も何度も達する

ふと気づいたんだけど・・・

わたし　すっかり仕事　忘れてるよ・・・

ただ　最後だからってことで

前彼をむさぼるだけのいやらしい女になってない？

まあ　最後だし　いいか

「き、今日は　すごくない？」

「えっ　そう・・・？あん」

「すごいっていうか　気持ち良過ぎだ」

「あはっ　ありがと　茂　大好きだったよ」

「えっ、どういう、うおっ」


そして　最後のお見送り

「あのさ」

「はい・・・？」

「まさかさ　ゆうこ？」

「さあ　わたしは誰でしょうね？」

「ほんとのゆうこなの？　でもなんで？」

茂に抱きついてキスをする・・・

「多分　あなたの気持ち次第だよ

わたしが　そのゆうこさんなのか　ソープ嬢のゆうりなのかは

自分で答えを見つけてね　そして幸せになってね」


うん・・・

意味深すぎる言い回しだし・・・

でも　これは　本当だよ

あなた次第

わたしがゆうこなのかなんて　どうだっていいじゃない

もう　会わないんだし

あなたが出した答えが　あなたにとって真実だよ

そして　お客さん的には　次が最後のお客さん

多分　わたしは　メロメロにされる

主人に匹敵　いや　実力としたら

主人以上かもしれない人

牧村さん・・・

名前で書くのは初めてかな

わたしが勝手に名づけた二つ名は・・・


　　　　　　　　　　　　　・・・スーパーおじいちゃん