ゆうりの泡日記-初めてのお客さん（前編

アップし忘れてたログ

とりあえずアップしときます

研修が終わって

なんか即日からお仕事って

でも　あと4時間くらいしか出来ないから

一人か二人くらいだけど

まあ　いっかなんて

簡単に返事をしたら・・・



工藤「雪ちゃんの時間延長出来ない？」

みゆき「無理っ」

工藤「そこをなんとか？」

みゆき「無理よ　旦那との約束だから」

工藤「お客さんが待ってるってごねてるんだよ」

みゆき「誰よ？」

工藤「よく来る坊やよ」

みゆき「あ、健太くんか　まずいのがあぶれちゃったなあ」

工藤「どうする？」

みゆき「うーん　そうねえ」

反射的に目を伏せる

今　わたしの方を見たよ・・・

嫌な予感・・・

みゆき「ゆうこちゃんっ」

わたし「聞こえません・・・」

みゆき「お願い出来ないかしら」

わたし「聞こえません・・・」

みゆき「ありがとう　感謝するわ」


いきなり　みゆきさんのお客さんの相手？

しかも　今の会話　すごいやっかいなお客さんっぽいし・・・


わたし「いらっしゃいませ」

健太「また　雪さんじゃねえのかよ」

わたし「ごめんなさいね」

健太「いつも　いっぱいで　もう来るのよめようかな」

わたし「そんなこと言わないでくださいよ」

健太「いつもカスばっか付けられて　たまんねえよ」

カスって・・・

この子　そういう態度で他の子と接してたの・・・？

そんなんじゃ気分良く相手なんてしてくれないよ

そりゃお金もらってサービスするんだから

気が乗らなくても頑張らなきゃいけないけど

いきなり嫌な気分にされたら・・・

健太「雪さんに会いたいよ」

なるほど　これじゃ　他の子から嫌われるわ

健太「雪さん　雪さーん　うっ」

雪さんの名前言いながらイクなよ・・・

健太「うそだ」

わたし「何が？」

健太「雪さん以外で出たっ」

わたし「へっ・・・」


話を聞くと初めての風俗で

初めての女性がみゆきさんだったそうで

なるほど　そういうことね・・・

わたし「なるほどねえ　」

健太「馬鹿にしてるだろ」

わたし「してないよ　わたしも筆おろししたことあるし」

健太「えっ」

わたし「もしかして雪さん以外は？」

健太「ないよ　立たないし」

わたし「そうなの・・・？」

健太「カスばっか付けられるから」

わたし「それ　違うよ」

健太「えっ？」

わたし「自分で拒んでるんだよ」

健太「そうなのかな？」

わたし「ちょっと待ってね」

本当はいけないんだけど

部屋を出る

わたし「すいません　ちょっと電話貸して」

工藤「えっ　お客さんは？」

わたし「待たせてある」

工藤「待たせてあるって？」


わたし「もしもし　今大丈夫？」

主人「仕事中だが　なに？」

わたし「あのね　実は・・・てことなの」

主人「なるほど　一種のトラウマだねえ」

わたし「いい対策ない？」

主人「みゆき以外の女で出す」

わたし「やっぱり　それ？」

主人「そうだね　みゆき以外じゃ出来ないって

思い込みが原因だからね」

わたし「わかった」

電話を切る

わたし「工藤さん」

工藤「なに？」

わたし「今日　バイト代いらないからお願いあるんだけど」

工藤「は？」

わたし「今のお客さん　時間延長させて」

工藤「延長って？」

わたし「延長料は　わたしのバイト代でお願い　出来る？」

工藤「出来るけど　いいの？」

わたし「うん　じゃあ　お願いね」


なんか　面白くなってきた

というか　お仕事の事

すっかり忘れてるわたし

みゆきさん以外と出来なくなってる健太くん

とにかく　みゆきさん以外でも出来る

そう思えれば・・・

だってさ

結構　可愛い子なのにもったいないじゃない


わたし「お待たせ　あのね」

健太「はい」

わたし「延長しても時間大丈夫？」

健太「時間はいいけど　金ないよ」

わたし「わたしのおごりっ」

健太「えっ　いいの？」

わたし「いいから　あのね」

健太「うん」

わたし「がんばろうね」


仕事って自覚・・・


うん・・・


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・ないよ