- 名前
- コアラ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 56歳
- 住所
- 埼玉
- 自己紹介
- 悔いないように。楽しいひと時を過ごそう。生きていてよかったと思えるような瞬間を増やそう。
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俺の24時間25
2008年04月05日 14:13
「俺はこれから別の仕事で少し席はずす。
ムニュの予知ではその仕事場で敵に遭遇する、われわれはそのスタッフとともに黒いバンにのり、仕事を続けながら所沢でお前達と合流する。
航空公園にヤタガラスを待たせておくので、そこからはMC女優と対談しながら、世界中にいるわれわれのメンバーとの会議に参加してもらう。」
「JCIAは世界中にスパイがいるのか?」チョムハが聞いた。
「いや、JCIAは政府組織だ。それよりも大きい組織がバックにある。それがお前達と接触する。」
「なんだそれは?」
「時間はある。後でゆっくり話す。」
俺は単身MC女優が待つ事務所に向かった。銀座のビルの地下にある。何の変哲もないビルである。事務所に入ると数名の男女が待機していた。
「やあ。」
事務所にはフロストとヨシエがいた。フロストは福山正治ばりのハンサム。ヨシエは常盤貴子に似たこれまた女優並みの美貌をもっている。フロストはJCIAで今回このネット放送にアキという女優を起用して、日本人が戦後教育を受けてきた洗脳を解除する計画をたてていた。
戦後の洗脳・・・ギルトインフォメーションプログラムという。ギルトというのは罪。つまり「自分達が悪かった」。そういう意識を植え付けさせ、日本人に引け目を感じさせるのが戦後の占領政策だった。
戦争はすべて日本人が悪い。軍隊悪い。国。悪い。国旗悪い。国歌悪い。怖い先生悪い。厳しい教育悪い・・・・。
かくして成人式は荒れ、ニートがはびこり、若者は外国人に嘲笑されるようなアダルトチルドレンとなり、わがままな女たちに振り回される国となった。
フロストはアキという破天荒なMC女優を採用することで、若者の意識の変革を計画した。その作戦のメンバーに俺が指名された。現場の体験を買われたのだと俺は勝手に思っていた。
ヨシエは沖縄武術の同門で、顔に似合わず武術の達人である。俺が顔めがけて拳を出すと。
「やめてよね。」と軽く受け流す。受け流すと同時に脇に拳が入っている。「腕は落ちてないな。」実践なら同時に股間にケリが入っている。
しばらくしてMC女優であるアキが来た。女優だけあってハナがある。だが売れているというほどではない。フロストが見込んだのはそのトークの才能である。彼女の司会は独特で、少々相手に毒があってもそれをうまく利用して場を盛り上げてしまう。
しばらく打ち合わせをして、俺はトークの相手をさせられることになった。
「フロストお前がやればいいだろ。あの女優、お前に気があるみたいだぞ。」
「いや、俺はトークは苦手だ。それにここはそろそろ危ない。脱出の準備にかからなければならない。」
「ムニュからの情報はきただろう?」
「ああ、きいた。彼女が予知能力をもっているらしいな。」
「俺も実はしらなかったんだが、最近開花したみたいだな。」
「お前が火をつけたな。」
「・・・・そうなのかな0」
「冗談のつもりだったんだが・・。」
どうやら俺は相手の才能を引き出す能力があるらしい。そういえばヨシエも俺との組み手で女性としては飛びぬけた武術の腕を持つようになった。あれもそうなのか・・・。
ムニュの面影がよぎる。予知どおりなら、ムニュとはもう会えない。所沢で会うグループの中にムニュを含めはした。最新鋭機ヤタガラスの中で会う段取りをした。だが、それがうまくゆくか。
気がつくと俺はアキとトーク番組をはじめていた。歴史をからめて冗談をいいながら、ネットのチャッターとやり取りをする番組だ。俺は真面目にトークしている自分を笑いながらアキのトークに合わせようとした。真面目すぎてもつまらないし、冗談だけで終わらせてもいけない。
俺がフリーメイソンについて言及しようとした時、ガラス越しにみるヨシエの顔色がかわり放送が打ち切られた。敵が来たのだ。スタッフは急いで脱出して黒いバンに乗り込んだ。バンの中にも通信設備があり、俺たちは放送を続けた。
「電波を追われるだろう?」
「ああ、覚悟のうえだ。ヤタガラスまでたどり着けばいい。」
アキというMC女優は組織のことを最近知ったばかりだったがやけにきもが座っている。彼女はチベットで超能力を持つゴールデンボーイを救出した。
「君が救出したのか?」
「ええ。まあ夢であらかじめみてたからあまり不安はなかったけど。」
「君は予知夢えおみるのか?それでそれはそのまま実現するものなのか?」
「ええ。そのままよ。ほとんど。ただ、見えない部分はいろんなことがあるわね。それにこの夢は丹波のアヤタチから送られてくるテレパシーだといわれているわ。」
丹波のアヤタチというのは俺たちの族長の呼称だ。かれは稀代の超能力者で、世界中の隠れたスタッフとテレパシーで連携している。その連携の仕方も夢であったり、偶然であったり、さまざまである。ムニュの予知もアヤタチからのものだとすれば実現することが組織のためでもある。だが、見えてない部分に何があるか。それにかけるほかない。ムニュとは別れたくないのだ。
バンの中では実況中継だった。後ろから何台もの乗用車が追ってくる。銃声が聞こえる。
「大丈夫だ防弾にしてある。」
フロストかアキに説明した。
車の中ではフリーメイソンの話の続きをした。フリーメイソンという名称はよく小説に登場する。実在の組織である。政治家がこの組織に関わっていたため事件となり、イタリアでは内閣が解散したことがあった。検索してみるといい俺がいうと、番組をみているチャッターたちが、
「ほんとうだ・・」というコメントを入れてくる。
「だが、それは下部組織で核になる人間は数名、フリーメイソンの外にいる。俺たちの先祖はそれをヤマタノオロチで表現した。頭が別れていて胴体が一つ。つまり数名のリーダーが世界を動かしている。その尾の一つに日本が組み込まれている。」
「ちょっとまって。ゆっくり話して。わたしたち神話もちゃんとおそわってないのよ。昔の神話。古事記なんかにのっているのね。」
「そうだ。」
「それはわたし達日本人の祖先の予言だということ?」
「そうだ。古代人は神との意思疎通をしていた。皇女は巫女であり、神子だった。古代人は神話にメッセージを託した。神話は歴史書であると同時に予言書でありまた、科学書でもありあらゆる文化が圧縮されたタイムカプセルなのだ。」
「ちょ、ちょっとゆっくりいきましょう。古代人は、ミコさんを通じて神様の意図を探って行動していたというわけね。」
「そうだ。神様の意志を地上に実現するために神がかりを行い、それによって国家を建設してきた。」
「古事記はそれが伝えられているということなのね。」
「そうだ。ただし漢字に翻訳される段階でいくつかゆがめられてしまっている部分もあるがね。」
「でヤマタノオロチというキングギドラみたいな怪物をスサノオという神様が退治するところがあるけれど、あれは・・・・」
「ヤマタノオロチというのは、現在の世界で人類を操っている首魁のことだ。それは数名居るが、基本的には弱肉強食、物欲至上主義の怪物だ。その意志の奥には世界の支配がある。」
「う~んそんなはなしにわかには信じられないわよね~視聴者のみなさん。」
MC女優は視聴者の立場に立って話を誘導してゆく。このMC女優。女優としては3流なのだがMCとしては芸人を育てる能力をもっている。しかも普通の芸人ではない。タガのはずれたような裸芸人の相手をこなして有名になってしまうのだ。これも特殊技能の一つだ。まあ、俺もある意味タガのはずれた諜報員といえばそうなのだが。
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