- 名前
- コアラ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 55歳
- 住所
- 埼玉
- 自己紹介
- 悔いないように。楽しいひと時を過ごそう。生きていてよかったと思えるような瞬間を増やそう。
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俺の24時間31
2008年05月17日 23:12
「俺はトリックには興味はない。」
「これはトリックではない。」
「映像ならいくらでもできるし、二人で持っていても、一方が字を書き、一方が脱力してついてゆけば言いだけのことだ。」
レオノーラも続けて言う。
「百歩譲ってそういう現象があったとしても、こっくりさんとどう違うのだ。」
確かにこの現象のみをもって正邪を判定するのは困難だ。
コアラ「これも信じろとはいわない。そういう文化がかつて存在したのだ。これは歴史的事実だ。」
チョムハ「歴史の捏造だ。」
コアラ「では亀甲占いはどうだ。古代人はそのようなものを頼っていた。」
亀の甲羅を火にあぶり、ヒビの出方で運を占ったという。古代中国や日本で用いられた。
チョムハ「迷信だ。そういう迷信を打破して唯物史観による民主主義を打ちたてたのがわが国の宗主だ。」
コアラ「だがお前の国はその宗主の政策で民衆が大勢飢え死にしている。」
チョムハ「革命に犠牲はつきものだ。」
コアラ「犠牲の数が多すぎやしないか?しかも唯物史観というのは仮説に過ぎない。亀甲占いを証明できない。」
チョムハ「迷信と、アヘンのような宗教は無意味だ。」
コアラ「お前の憎んでいるアメリカの国民も、お前が望むように唯物史観と民主主義を奉じている。」
チョムハ「アメリカは資本主義だ、拝金主義だ。」
コアラ「お前達はその反対の政策をとっているようにみえて、実は同じ穴のムジナだ。胴体は一つ、頭は二つ。双頭の蛇だ。」
チョムハ「それはお前がわが国の理念を理解していないからだ。」
コアラ「当たり前だ。人民の三分の一が飢えで苦しむような国策の理念をどうりかいしろというのだ。」
チョムハ「それは、過程で。。。」
コアラ「そろそろ目を覚ましたらどうだ。お前の考えているような思想では国家はうまく運営できない。破綻してきた。歴史が実証している」
画面を見た。フーチがチョムハに語り始めた。録画ではなかった。生中継だった。
チョムハ。汝北の国に生まれ者。幼きころより父母から離れ、国家のために忠誠を誓う。されど、汝が胸中に迷いあり。国は敗れて流浪の忍びとなる。汝いかなる国をうちたてんや?戦争と争いと別離と貧困の国を欲するか?
汝伴侶とともに幸せに暮らすことをのぞまざるか?汝異なった国のあり方を信じざるか?汝人としての想いをおきざりにしてきたか?
人を幸せにに、己も幸せになる。その道たるや世に隠されてあり。仁徳ある王のもとに仕え、良識ある民のために働くもの幸いなり。苦に滅びても汝が民族は滅びず。汝の出自は殷の末裔也。殷の最後の戦士ソムハよ。
歴史の狭間にありて惑うものよ。真実の王に仕えよ。源に帰れよ。
チョムハはなぜかこの言葉を聞いて動揺した。迷信だ、トリックだと自分に言い聞かせた。だが、自分の潜在意識が動かされて目頭が熱くなった。
俺は・・・かつて殷朝の最後の戦士だった。殷の紂王は敵軍に陥れられ、女に狂い、忠臣を次々と殺し、国を傾けた。そんな紂王に使え続けようとして、しかし吹っ切れぬ思いを持ちながら敵軍に落ちていった。
その迷いが。今生も彼をかような複雑な境遇に追いやった。
同じようなことが繰り返される。なんとなればそれを乗り越えさせるために。
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