愛してね（吊り橋効果）

好きな人に出会うと鼓動が激しくなり、気持ちが高揚した状態になりま

す。その逆の発想で、「気持ちが高揚したときに出会うと好きになる」

ということもあるんです。


吊り橋を使った実験が有名です。

一つの橋は、高さ70メートルもあり人が渡ると大きく揺れてスリル満

点。もう一つの橋は、高さ3メートルたらずの頑丈な橋です。

まず、男性にこのどちらかの橋を渡ってもらい、渡り終えたところで女

性の面接官が彼に対して面接を行います。

面接の内容は、ある絵を見せて、「この絵を見て物語を作ってくださ

い。」というものです。

調査が終わると、「実験の詳細について知りたい場合はここにお電話下

さい。」と連絡先を伝えます。

実験の結果、不安定な吊り橋を渡った男性の半数が電話をかけてきた。


一方、頑丈な橋を渡った方は、電話をかけてきたのはわずか12%だっ

た。

連絡してきた男性は、実験に興味があったというよりも女性の面接官に

興味を抱いたという理由が強い。


男性が一目惚れするような魅力的な女性に出会うと、胸が高鳴り生理

的な興奮状態になる。

一方、今回の実験のように、吊り橋を渡るなどという怖い体験も生理

的な興奮状態にあたる。

このとき、女性に出会うと、その興奮状態は女性に魅力を感じている

からおきるのだと「勘違い」してしまうのです。

この「勘違い」を利用する手段として、一緒にスポーツをしたり遊園

地で絶叫マシーンに乗ったりすることが考えられる。

このとき、激しい興奮状態にあるときよりも、余韻が残っているくら

いの状態にその効果が高い。

つまり、スポーツをしている最中よりも、スポーツの後ベンチで並ん

で座って休憩しているとき。

絶叫マシーンに乗っているときよりも、乗った後休んでいるときなど

が有効なのです。



こうした勘違いから生まれる恋、それでも恋は恋なんです。