愛してね（親和欲求）

まず、ある実験の話をします。

「これから電気ショックの実験をします。場合によっては痛みがあった

り傷ついたりすることもあるかもしれません。」

そう言って前もって脅して不安を与え、対象となる女子学生には、３０

分後に実験をするのでそれまで待機しているように言います。

控え室は２種類あり、一つは誰も居ない一人部屋、もう一つは同じ実験

を受ける人が待機している部屋です。

本当の目的は、こういった状況でどちらの部屋を選ぶのかを見る実験で

した。

結果は、圧倒的多数の人が同じ実験を受ける人と一緒に居ることを選

ぶのです。


不安や恐怖に置かれた人は心の安定を保とうとするために自分と同じ

境遇の人と一緒に居たがります。

これを「親和欲求」といいます。


不安なときは、だれかと一緒に居たいのです。

ある若い女性が父親を亡くしてとても不安定な状態になっています。

こういう状況は恋愛どころではありませんが、心の状態は大変惚れっ

ぽくなっているのです。

この時期親しくなりやすいのは、「俺も父親が死んだんだ･･･」と話

す男性です。

これは自分と同じ境遇の人と一緒に居たいという「親和欲求」が働く

ためだと考えられます。



人の気持ちは複雑ですね。